2012年11月22日木曜日

土壌試料調製マニュアル

土壌試料調製マニュアル


  土壌サンプルの測定依頼が増加しており、試料調製に関するお問い合わせが多数寄せられております。
 
 「あがのラボ」では、以下の様な土壌試料調製法を用いていますので、参考にして下さい!  土壌の粒度土壌中の水分や異物が測定容器への充填度及び放射能測定値に影響を与えますので、充分な乾燥粒度の均一化が必要です。

① 採取した土壌をトレー上に4〜5枚重ねた新聞紙に広げ、天日乾燥(風乾)。 雨天や冬場には新聞紙に包んで屋内に放置。 時間がない場合には、電子レンジ加熱、フライパン・鍋等に入れての加熱乾燥も可能です。
② 土壌の塊を移植ゴテ等により細かく砕き、乾燥を促進する!
③ 目視で大きな異物(木の葉、木の枝、草、小石など)を確認したら取り除く!
④ 乾燥がある程度進んだら、ふるいにかけて土壌粒度を均一にする。
⑤ 移植ゴテ等で上下を混和して土壌の色が均一になるまで乾燥!
⑥ 乾燥土壌をビニール袋に回収する。
  ※パウダー状になった土壌は風で飛散しやすいので作業者は注意を払って下さい!




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2012年11月13日火曜日

冬に向けての定期点検

測定器のメインテナンス中


   気温が下がって、間もなく冬到来の季節となりました。 現在「あがのラボ」では冬期間の測定室気温低下に対応するため、エアコンの設定温度を18±2℃に変更しました。 これに伴い、γ線測定器の自然計数を再測定しています。

   今回より、検出限界値をより低減する目的で自然計数の測定時間を40,000秒に延長しました。 予定ではCs-134、Cs-137の検出限界が<1Bq/kgとなるはずです。 更に、来春には低レベル放射能検出を短時間で行えるように遮蔽の強化を計画しています。





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2012年11月1日木曜日

土壌汚染調査(その1)

土壌汚染調査(その1)


  福島原発事故による土壌の放射能汚染を調査するため、阿賀野市及び周辺地域の土壌を採取し放射性セシウムの放射能濃度を求めてみました。

   土壌採取は、土壌表面が農作業により撹拌される畑や水田を避けて、居住地近くにある神社等を選んで、数点からの表面土(〜深さ5cm)を採取した。
  比較対象として、福島県に近く、きのこ等のセシウム汚染が確認されている阿賀町の土壌も調査した。


 測定結果

    阿賀町鹿瀬で採取した土壌からは、放射性セシウムのCs-137Cs-134が検出され、福島原発事故による汚染が確認できた。 一方、その他の地点では放射性セシウムは検出限界未満か検出されてもCs-137のみで、直接的な福島原発事故の影響を確認できなかった。 検出限界未満となった地点のγ線スペクトル上には僅かではあるがCs-137の存在が確認できるので、Cs-137の起源は過去の原爆実験やチェルノブイリ事故によるものと推測している。

    現時点では、阿賀野市の一般土壌に関しては明確な福島原発事故による汚染が認められていないが、阿賀野市に隣接する阿賀野川河川敷の汚染かんがい用水路に堆積する汚泥の汚染が確認されているので、それらの移動拡散による二次汚染に注意を払う必要がある。
    
   
                            測定時間:30,000秒
土壌採取地点 採取日 測定日 放射性セシウム合算
(Bq/kg(乾))
阿賀野市寺社 2012-10-09 2012-10-18     33
阿賀野市上江端 2012-10-15 2012-10-18     20
阿賀野市里 2012-10-19 2012-10-23     15
阿賀野市小松 2012-10-24 2012-10-29     15
阿賀野市大室 2012-10-03 2012-10-06     13
阿賀野市田山 2012-10-22 2012-10-26       9
阿賀野市中央町 2012-10-15 2012-10-19 検出限界未満(<3.0)
阿賀野市中島町 2012-10-17 2012-10-19 検出限界未満(<3.0)
阿賀野市山口町 2012-10-19 2012-10-22 検出限界未満(<3.0)
阿賀野市月崎 2012-10-19 2012-10-22 検出限界未満(<3.2)
阿賀野市関屋 2012-10-22 2012-10-25 検出限界未満(<3.2)
阿賀野市小浮 2012-10-15 2012-10-20 検出限界未満(<3.0)
阿賀町石間 2012-10-24 2012-10-29     10
阿賀町鹿瀬 2012-10-24 2012-10-28     74
                              ※Cs-137のみ検出






解説
   土壌や井戸水等の検体を測定する場合に、検体中に含まれる天然の放射性核種(Bi-214、Pb-212、Tl-208など)が放射性セシウムのγ線エネルギーと似かよっているために誤検出を生じることがあります(下図参照)。
   天然核種と比べて大量に放射性セシウムが含まれている場合は、天然核種の妨害があっても有意に放射性セシウム濃度を求めることができますが、含まれている放射性セシウムが相対的に少量の場合に天然核種(特にCs-134のγ線エネルギーと似かよったBi-214)の影響が出てしまいます。

   今回の測定でもBi-214の影響のため誤検出(Bi-214をCs-134と間違ってしまう現象)が発生しました。「あがのラボ」では解析結果に表示された数値を評価する際に必ずγ線スペクトルを見て判定しています。
  


  今回の土壌サンプルの多くは、Cs-134が検出されずCs-137のみが検出されました。 下図に示したのは、土壌中に含まれるBi-214がほぼ同じで、Cs-137のみが異なる場合のγ線スペクトルです。   現時点では、半減期2年のCs-134が完全に消えていませんのでCs-134とCs-137が同時に検出されることを根拠に福島原発事故の影響を確認できますが、数年後にはCs-134の検出が困難となり、対象核種がCs-137のみとなってしまい、「原発事故による汚染だ!」という言及もできなくなってしまいます。 その意味で、早期の汚染実態調査が重要になっています。




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2012年10月23日火曜日

放射性セシウム濃縮測定法の検討

放射性セシウム濃縮測定法の検討


   水道水、河川水、灌漑用水、湖沼水等に含まれる放射性セシウムの濃度は極端に低く、NaIでは検出限界を超えております。 そこをなんとか有意に測定できないものかと濃縮測定法の検討を始めました。

   本来は、水試料を加熱濃縮や減圧濃縮して放射性セシウムの濃度を高めれば良いのですが、濃縮過程に時間を要することや測定時に妨害となる岩石由来の天然放射性核種も濃縮してしまうため、セシウムの選択的濃縮法が要求されるわけです。 そこで、比較的安価なゼオライトを利用することにしました。

   ゼオライトはイオン交換とふるい効果により広いpH範囲でCs吸着能(>90%)を持っていることが知られており、放射性セシウムの除去回収に広く利用されています。 未使用のゼオライト【モルデン沸石、(Ca,K2,Na2)[AlSi5O12]2・7H2O】結晶をセシウム汚染水に投入すると、ゼオライトに包含されていたCa+、K+、Na+が溶液中のCs+と置き換わることで、Cs+の回収ができるわけです。 ただし、イオン選択性はCs+>NH4+>>K+>Na+となっており、水中にアンモニウムイオンが多量に含まれる汚れた水やNa+が大量に含まれる海水などでは強く妨害を受けます。
  また、ゼオライト(1g)のセシウム吸着交換能は約100〜200mgCs/gと大きく、非放射性のCsが含まれていたとしても放射性セシウムはほぼ回収するだけの充分な能力があります。


   一定量の水試料に既知量のゼオライトを投入し、撹拌後にゼオライトと水を分離する操作を繰り返します。 最終的にセシウムが吸着濃縮されたゼオライトのみをNaIで測定するという方法です。 「継続的な撹拌法?」「水試料の必要量?」等の問題はいくつか存在しますが実験としてトライしてみます。

   計画では、数リットル単位で水試料を交換し、その都度回収ゼオライトのスペクトルを観測して、試料水の必要量を見積もることにしています。 また、事前に測定した精製水洗浄ゼオライトには、天然由来の放射性核種は観察されますが放射性セシウムのピークは確認できませんでした。 ゼオライトが汚染されていないことを確認済みです。

   なお、プルシアンブルー (Prussian blue)やその誘導体もセシウムに対して高い吸着能を持っていますので、濃縮捕集剤としての利用も考えられますが、水との分離方法やセシウム交換容量等においてゼオライトには劣るため今回は見送りました。 安価で取り扱いが簡単な新材料が出現すればその時にトライしてみます。



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阿賀野市産の「柿」は大丈夫か?

阿賀野市産の「柿」は大丈夫か?



阿賀野市産(路地物)の柿を検査してみました。

  柿の皮をむいて、ヘタ、種を除去し可食部をサイコロ状に包丁で裁断した後に1リットルマリネリ容器に充填して測定。
  柿の果肉は比較的柔らかいので上から圧力を加えて抑えこむとギッシリと充填できます(ミキサー等でジュース状に加工すると、柿に含まれる糖分のため測定中に発酵が生じ、容器から溢れてしまいますのでお勧めできません。) なお、用いた柿は渋抜き操作を実施していません!

  測定後の柿は、発酵こそしていませんでしたが、表面がジャム化しており容器がベタベタ状態........測定操作は無菌状態で実施しておりませんので衛生上危険と判断して廃棄しました。


測定結果
   Cs137もCs134も検出限界未満で検出できませんでした。 また、γ線スペクトル上にも該当核種のピークは確認できません。

試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
柿(阿賀野市産路地物) 2012-10-20 2012-10-21 904g 検出限界未満(<1.4) 検出限界未満(<1.4)
                                             ※測定時間は20,000秒

      尚、福島県では、24年産の柿からセシウム合算で最大 87 Bq/kg が検出されています。
        ◎福島県農林水産物モニタリング情報


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2012年10月14日日曜日

秋の味覚の「クリ」検査


秋の味覚の「クリ」検査


2012年8月〜2012年10月の福島県のモニタリング結果を見ると、秋の味覚「クリ」で〜150 Bq/kg、「ミョウガ」〜50 Bq/kg と他の農産物と比較して放射性セシウムが頻繁に検出されています。

  新潟県の汚染状況を知るために、五泉市村松産の「クリ」阿賀野市産路地物「ミョウガ」を測定してみました。

  その結果、いずれも検出限界未満となり「クリ」は栗ご飯に、「ミョウガ」はサラダとお吸い物にしていただきました。 (クリの皮むきは大変な作業でしたが、これが今晩の「栗ご飯」になることを期待して奮闘しました。)





試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
クリ(五泉市村松産) スーパー購入 2012-10-14 912g 検出限界未満(<1.6) 検出限界未満(<1.5)
ミョウガ(阿賀野市産路地物) 2012-10-12 2012-10-13 527g 検出限界未満(<2.8) 検出限界未満(<2.6)
                                             ※測定時間は15,000秒



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阿賀野川河川敷の汚染状況(その2)

阿賀野川河川敷の汚染状況(その2)


  5月末から6月初頭にサンプリングした阿賀野川右岸の6つの河川敷のうち2つの地点を選択して、再び土壌を採取して放射能濃度の変化を調べてみました。

  下流域にあたる阿賀野市下里河川敷では、5ヶ月経過しても河川敷土壌中の放射性セシウム濃度にほとんど変化がありません。 一方、上流域の安田橋運動公園河原に関しては数値が大幅に減少していました。

  安田橋運動公園付近で今年の夏から河川の護岸改修工事が実施されているため放射性セシウム濃度の減少は、自然減ではなく人為的なものと考えています。 いずれにしろ、阿賀野川の底質泥を介した放射性セシウムの流下移動は現在も続いているものと考えられますので、今後も継続的に監視して行く予定です。



採取地点 採取日 測定日 放射性セシウム合算
(Bq/kg(乾))
阿賀野市下里河川敷 2012-10-09 2012-10-15     135
阿賀野市下里河川敷 2012-06-10 2012-06-15     200
阿賀野市安田橋運動公園河原 2012-10-09 2012-10-15       71
阿賀野市安田橋運動公園河原 2012-05-25 2012-06-02      197
                                  ※放射性セシウム合算=Cs137+Cs134
               



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2012年10月10日水曜日

測定結果(10/1〜10/9)

測定結果(10/1〜10/9)

 

  五頭山麓に分け入って天然キノコを採取し測定してみました。 キノコが生育している土壌が汚染されている場合に、キノコには放射性セシウムが濃縮され易いとの報告がありますので、五頭山麓の汚染を間接的に知る意味で、食用・毒キノコの区別なく採取し放射能測定を実施しました。

 採取した天然キノコを水洗いし、水を拭き取った後にミキサーで裁断! 測定中の発酵を抑えるため電子レンジで過熱後に室温に戻し、マリネリ容器に充填後に測定!

  その結果、Cs134は検出限界未満でしたが、Cs137で1.7 Bq/kgと市販されている菌床栽培生シイタケと同様に汚染度が低いことが分かりました。 


  なお、新潟県の報告では、ワタゲナラタケ(湯沢町)7.9 Bq/kg、アミタケ(阿賀町)11Bq/kg、 ヌメリイグチ(阿賀町)18 Bq/kg 等から放射性セシウムが検出されており、阿賀町や湯沢町での原発由来の汚染がキノコからも検出されています。
◎野生きのこの放射性物質の検査結果について(新潟県)


                          
試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
釜揚げ風ゆでうどん(福島県本宮市) スーパー購入 2012-10-02 1,037g 検出限界未満(<1.2) 検出限界未満(<1.2)
白米(24年胎内市産こしひかり) スーパー購入 2012-10-05  995g 検出限界未満(<1.4) 検出限界未満(<1.3)
天然きのこミックス(五頭山麓) 2012-10-04 2012-10-06  877g    1.7 検出限界未満(<1.3)
菌床栽培生シイタケ(JA越後中央) スーパー購入 2012-10-06  670g    2.1 検出限界未満(<1.7)
湖沼堆積泥(瓢湖北岸) 2012-09-30 2012-10-09  795g    5.4 検出限界未満(<1.9)
土壌(大室浄水場隣接道路脇) 2012-10-03 2012-10-06 1,059g    12.8 検出限界未満(<2.0)
土壌(大室浄水場隣接土手) 2012-10-03 2012-10-06  963g    2.5 検出限界未満(<2.1)
測定時間は10,000秒〜30,000秒


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2012年10月1日月曜日

自動車エアコンフィルターの放射能測定

自動車エアコンフィルターの放射能測定


   土壌等が放射性物質で汚染された場合に、細かな汚染粉塵が風によって巻き上げられ、遠方に移動して汚染拡大を引き起こし、呼吸により汚染粉塵を体内に取り込んで内部被曝の原因となることが危惧されています。 大気中に含まれる汚染粉塵の量を知るためにはハイボリュームエアサンプラー(粉塵収集装置)等で大量の空気を吸引してろ紙上に粉塵を捕集して調べる方法が一般的ですが、当方にはその装置がありません。  そこで、自動車エアコンフィルターに着目して、そこに捕集されている放射性物質の量を測ってみることにしました。 通常、エアコンフィルターは1年間程度で交換するのですが、そこには外気に含まれていた粉塵と共に放射性物質がトラップされているはずです。 特に、汚染レベルが高い地域で使用された場合は、エアコンフィルターの汚染度も高くなっていると予想されます。


   今回、原発事故当時から福島県いわき市で使用されていた自動車に装着されていたエアコンフィルターの提供を受けたので、放射性物質量を求めてみました。 エアコンフィルターは車種によって形状が異なるため、そのまま測定用の容器に入れても測定条件が一定となりませんので、水による溶出操作を加えることにしました。

前処理と測定法

 

エアフィルターの表面線量率測定
   吸気側には白い繊維状の埃が目立つが、排気側には観察できず! NaIシンチレーションサーベイメーターで吸気側の表面線量率を測定したところ。フィルター表面では0.10μSv/hとわずかに高い数値を示した!




エアフィルターの洗浄
   エアフィルターを超音波洗浄機に収まるサイズにカッターで切断! 精製水約200mlを用いて裁断したエアフィルターを超音波洗浄(10分)し、汚れを含んだ水を1リットルマリネリ容器に移し替えた後、新たな精製水で洗浄を計5回繰り返した(約1リットル)。 回収した水は濁っており、不溶性の沈殿物も確認。 1リットルマリネリ容器をガンマー線モニター(AT1230A)にセットし、30,000秒測定!



不溶物の分離
   測定終了した洗浄水からろ過フィルター(コーヒー用ろ紙)を用いて不溶性の物質を回収した後にろ液を再度 30,000秒測定!



測定結果

 

エアフィルターに吸着されていた放射性セシウムの量は43.5 ベクレル(測定重量で補正)で、不溶物除去後に18.4ベクレルに減少(放射性セシウムの58%がろ紙上に回収)していることから、ろ紙上に回収された不溶性物質に放射性セシウムが水に溶けない状態で強く吸着していると考えられる。 不溶性の部分はバーミキュライト等の粘土質と推測しているが、水溶性の部分の化学形の解析に関しては今後の課題です。

  今回の一連の測定ではエアフィルター表面の線量率が周囲の環境と比べて同じか僅かに高い程度で当初はほとんど汚染は無いと思われましたが、水による溶出測定を実施して放射性セシウムによる汚染を初めて確認できたので、表面の線量率のみによる判断は汚染を見逃す可能性があります。
     
試料名 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
Cs合算
(Bq/kg)
エアフィルター洗浄水 2012-09-25  997g   27.4   16.2  43.6
エアフィルター洗浄水(不溶物除去) 2012-09-26 1,000g   11.5     6.9  18.4

   なお、エアフィルター洗浄液と不溶物除去後の放射能比は、それぞれ(セシウム137:セシウム134=1:0.59、セシウム137:セシウム134=1:0.60)となり、原発事故初期にセシウム137とセシウム134は放射能比(1:1)で放出され減衰を考慮した測定時点(9月25日〜9月26日)での理論的放射能比(1:0.61)とほぼ一致しており、測定しているものが原発事故由来のものと確認できた。






   ※自動車エアコンフィルターや自動車吸気フィルター(エアエレメント)の汚染は各地で確認されておりますが、国や自治体が明確な基準・方針を定めていないため、交換作業に携わる人の被曝や、高レベル汚染フィルターの廃棄方法もわからぬまま放置されているのが現状です。

    ◎放射性物質で汚染されたエアフィルターの取り扱い指針(日本空気清浄協会)


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測定結果(9/17〜9/30)

測定結果(9/17〜9/30)



                            測定時間は10,000秒〜40,000秒
試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
雪印メグミルク(海老名工場) スーパー購入 2012-09-25 1,030g 検出限界未満(<1.1) 検出限界未満(<1.1)
農協牛乳(新潟市西蒲区) スーパー購入 2012-09-30 1,032g 検出限界未満(<1.1) 検出限界未満(<1.0)
水道蛇口水(阿賀野市水原地区) 2012-09-25 2012-09-28 1,000g 検出限界未満(<1.3) 検出限界未満(<1.2)
24年産玄米(新潟市江南区横越)   不明 2012-09-29  828g 検出限界未満(<1.8) 検出限界未満(<1.6)
24年産白米(新潟市江南区横越)   不明 2012-09-29 1,018g 検出限界未満(<1.4) 検出限界未満(<1.3)
ぶなしめじ(雪国まいたけ) スーパー購入 2012-09-25 166g 検出限界未満(<12.9) 検出限界未満(<12.1)
乾燥土壌(新潟市江南区) 2012-09-16 2012-09-28 1,154g 検出限界未満(<2.2) 検出限界未満(<1.9)
乾燥土壌(柏崎市) 2012-09-15 2012-09-28 1,233g 検出限界未満(<2.0) 検出限界未満(<1.6)
乾燥土壌(刈羽村) 2012-09-15 2012-09-28 1,126g 検出限界未満(<2.1) 検出限界未満(<1.7)
河川土壌(五頭山麓いこいの森) 2012-09-16 2012-09-23 1,445g 検出限界未満(<2.5) 検出限界未満(<1.9)
河川水(五頭山麓いこいの森) 2012-09-16 2012-09-18 1,026g 検出限界未満(<1.2) 検出限界未満(<1.2)

   ※重量不足のため、検出限界値が高くなっています! 検出限界値は試料の種類、重量、測定時間等により変動します。


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2012年9月27日木曜日

稲わらの放射能測定

稲わらの放射能測定


農家さんのご協力で、24年度に収穫した「稲わら」が入手できたので、放射能を測定してみました。



 ①乾燥稲わら
   阿賀野市小浮で採取した「稲わら」を電子レンジで加熱して風乾後にミキサーで粉砕し、1リットルマリネリ容器に充填してNaIシンチレーションカウンター(AT1320A)で40000秒測定。

  粉砕した「稲わら」はスポンジ状となり、 容器に充填するのが困難でしたが、約350グラム程度充填できました。


②炭化稲わら
  「稲わら」に含まれる放射性セシウム濃度を高めるために、放射性セシウムが飛散しない低温(約250度)で乾燥稲わらを炭化(蒸し焼き)。 「炭化稲わら」を再度ミキサーで粉砕し、1リットルマリネリ容器に充填して40000秒測定。
 




測定結果

試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
放射性K40
(Bq/kg)
乾燥稲わら 2012-09-20 2012-09-21 353g 検出限界未満(<3.5) 検出限界未満(<3.3)   386
炭化稲わら 2012-09-20 2012-09-22 247g 検出限界未満(<5.2) 検出限界未満(<5.0)   960

放射性セシウムは全て検出限界未満でした。
「炭化稲わら」の放射性カリウム40の濃度が、「乾燥稲わら」の2.49倍に濃縮されているので、放射性セシウムも同率で濃縮されると仮定すると、乾燥稲わら換算で放射性セシウムの検出限界値がいずれも2.0 Bq/kgとなり、「乾燥稲わら」に含まれるセシウム137とセシウム134の合算は4.0Bq/kg未満と推測できます。 なお、土壌から白米には稲わらの1/5 程度の放射性セシウムが移行するという報告がありますので、この白米に含まれている放射性セシウムは 1Bq/kg未満となります。

※放射能濃度が低く、かさ高い検体は、そのままでは充填密度が低くなるので、本来は電気炉等で低温灰化した後に酸抽出により濃縮測定するのが望ましいのですが、そのような設備がありませんので上記のような変法を使用しました。

 
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   あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上
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2012年9月23日日曜日

かんがい用水路の堆積泥調査(その2)

かんがい用水路の堆積泥調査(その2)

 

    用水路堆積泥の追跡調査(9/2〜9/15)を実施しました(4地点)。 検出限界値を超えた放射性セシウムが検出されなかった阿賀野市熊堂村新田の用水泥を再度サンプリング(9/27)し、再検討しました!  


 6月に採取した用水路と同地点で堆積泥を採取し、 前回と同様に天日乾燥後にふるいにかけ、異物を除去した後、1リットルのマリネリ容器に充填し、5000秒〜10000秒測定! その結果、阿賀野市熊堂村新田で採取した用水堆積泥を除いた3地点で全ての地点で前回と同レベルの放射性セシウムが検出されました。 
     放射能濃度の増減は認められるものの、大きな変化はありません

 

試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値
(Bq/kg)
用水路堆積泥(阿賀野市沖通) 2012-09-02 2012-09-10    130
用水路堆積泥(阿賀野市沖通) 2012-06-23 2012-06-30    191
用水路堆積泥(阿賀野市熊堂村新田) 2012-09-27 2012-09-30    277(訂正)
用水路堆積泥(阿賀野市熊堂村新田) 2012-06-23 2012-06-30    241
用水路堆積泥(阿賀野市法柳新田) 2012-09-15 2012-09-18    145
用水路堆積泥(阿賀野市法柳新田) 2012-06-28 2012-06-30    161
用水路堆積泥(新潟市北区上大月) 2012-09-02 2012-09-06    415
用水路堆積泥(新潟市北区上大月) 2012-06-28 2012-06-30    371

   阿賀野市熊堂村新田に関しては、サンプリング地点を間違えたために生じた単純ミスです。申し訳ありません!(夏草で用水路全体が隠れていたために、別の地点から採取してしまいました。)




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2012年9月14日金曜日

測定結果(9/7〜9/14)

測定結果(9/7〜9/14)

 スーパーで安売りしていた「もも果汁飲料」から放射性セシウムが検出されました! 

 

もも果汁入飲料


試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値
(Bq/kg)
明治ブルガリアヨーグルト(宮城県東北工場) スーパー購入 2012-09-10 検出限界未満(<2.7)
雪のふる里低脂肪乳(南魚沼市・KK雪里) スーパー購入 2012-09-10 検出限界未満(<3.0)
北の草原牛乳(燕市・原田乳業) スーパー購入 2012-09-11 検出限界未満(<3.0)
白米(北越後コシヒカリ 新発田市23年産) スーパー購入 2012-09-12 検出限界未満(<3.4)
35%もも果汁入飲料(ヤマザキ) スーパー購入 2012-09-14     3.0


    セシウム137のみ検出! セシウム134は検出限界未満でした。 なお、測定時間 50,000秒の検出限界値は、セシウム137(1.4 Bq/kg)、セシウム134(1.3 Bq/kg)
    原材料に使用されている桃は国内産ですが詳細な産地は不明! (山梨、福島、長野県の3県で桃の生産量の65%を占めています。)
    35%もも果汁入飲料の1缶(350ml)に、約1ベクレルの放射性セシウムが含まれている計算になります。 また、原材料の桃は 8〜9 Bq/kg程度のセシウム濃度と推測できます。



  なお、JA新ふくしまでは、NaIシンチレーション検出器を用いて出荷前農作物の放射性物質自主検査を実施しています。 ただし、測定時間30分で検出限界 セシウム137 10Bq/kg、セシウム134 10Bq/kg、セシウム合算 20Bq/kgという極めて緩い条件で測定しています。 JAが独自に自主検査することは評価に値しますが、基準値(セシウム合算で100Bq/kg)を超えていないという根拠で放射性セシウムが含まれている農作物を市場に出荷していることは、生産者の姿勢が疑われます。 到底、「風評被害」の払拭には効果は無いでしょう! 



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2012年9月6日木曜日

公開を条件に無料で測定します

自然計数の低減

 

  測定装置の下部の鉛遮蔽を7月末に強化しました。 この結果自然計数が30%程度減少し、以前より短時間で低レベルの放射能を定量できるようになりました。

   ようやく気温が下がって測定に適した季節になりました。 猛暑の中では、測定室と測定器を一定の温度に保つことは困難でしたので、測定は気温の下がった深夜にのみに実施していました。 今後は、エアコンの能力で充分に温度をコントロールできますので、測定数を増やしてゆく予定です。

   「あがのラボ」では、測定結果の公開を条件に完全無料で測定しています。 食品等を測定したいとお考えの方は気軽にご連絡ください!(「放射能無料検査申込書」をダウンロード/プリントして必要事項を記入の上で検体と一緒にご持参下さい。)


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測定結果(8/10〜9/6)

測定結果(8/10〜9/6)

 

試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値
(Bq/kg)
用水路堆積泥(阿賀野市沖通)※1 2012-09-02 2012-09-06     130
用水路堆積泥(新潟市北区上大月)※1 2012-09-02 2012-09-06     415
周回水路堆積泥(瓢湖・さくら池)※2 2012-08-07 2012-08-11     360
畑土壌(阿賀野市外城町) 2012-08-28 2012-09-01       12
本つゆ(キッコーマン) スーパー購入 2012-09-01 検出限界未満(<2.7)
味ぬか(チヨダ) スーパー購入 2012-08-10 検出限界未満(<3.9)
猫エサ・ミオ(日本ペットフーズ) ※3 スーパー購入 2012-08-27 検出限界未満(<9.4)
猫砂(ライオン)  ※3 スーパー購入 2012-08-27 検出限界未満(<4.6)

   ※1  定点測定】:前回の測定値(6月末採取試料)は、191 Bq/kg(阿賀野市沖通)371 Bq/kg(新潟市北区上大月)で、大きな変動は認められず、用水路堆積泥のセシウム汚染は継続している。
   ※2  定点測定前回の測定値(6月末採取試料)484 Bq/kg(C地点)からの大きな変動はない。
         ※3      牛、馬、豚、家きん(にわとり、うずら)、養殖魚に与える動物用飼料に放射性セシウム暫定許容値が設定されていますが、ヒトと密接に接する機会が多い犬猫などのペット(愛玩動物)のエサに関する基準値は定められていない。


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2012年8月5日日曜日

食品類の測定結果

食品類の測定結果

 

試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値
(Bq/kg)
水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-20 2012-05-20 検出限界未満(<4 .8)
水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-21 2012-05-21 検出限界未満(<4 .2)
水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-25 2012-05-25 検出限界未満(<4 .6)
水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-28 2012-05-28 検出限界未満(<4 .5)
水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-30 2012-05-30 検出限界未満(<4 .3)
水道蛇口水(阿賀野市) 2012-06-22 2012-06-22 検出限界未満(<4 .3)
水道蛇口水(阿賀野市) 2012-07-07 2012-07-07 検出限界未満(<4 .0)
水道蛇口水(阿賀野市) 2012-08-01 2012-08-01 検出限界未満(<3 .8)
天然水南アルプス(サントリー) スーパー購入 2012-07-01 検出限界未満(<3 .8)
新潟県産こしいぶき スーパー購入 2012-07-07 検出限界未満(<3 .5)
コシヒカリ(新発田市) スーパー購入 2012-05-18 検出限界未満(<4 .0)
たけのこ(阿賀野市) スーパー購入 2012-05-21 検出限界未満(<9 .6)
ジャガイモ(胎内市) スーパー購入 2012-08-01 検出限界未満(<4 .1)
オレンジ(カルフォルニア) スーパー購入 2012-05-28 検出限界未満(<4 .6)
麦茶パック(ひたちなか市) スーパー購入 2012-08-03      11


スーパー購入の「麦茶パック」から、11 Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。 麦茶の原料となる「二条大麦」「六条大麦」は、栃木、茨城、群馬等の関東地方と九州、北陸で生産されており、茨城県の検査によると「平成24年度産大麦」は検出限界値以下ですが、福島原発事故直後の「平成23年度産大麦」から放射性セシウムが検出されています。

「麦茶パック」のメーカーに該当商品の原材料及び生産年、放射能検査体制を問い合わせたところ、該当商品は「茨城県平成23年度産大麦」を使用しており、麦茶原料麦に関しては全国麦茶工業組合および自社にて独自検査を実施しているとの回答がありました。

通常、麦茶は「麦茶パック(約10グラム)」を1リットルの水を使用して、水出し・煮出しにて作成しますので、麦茶パック中に含まれる放射性セシウムが全て溶出すると仮定すると、飲料に供する「麦茶」1リットル中に放射性セシウム 0.11 Bqが含まれることになります(実際の溶出率はもっと低いのでセシウム濃度もさらに低くなる)。 いずれにしても、麦類はコメと同様にセシウム汚染が確認されていますので大量に飲料する「麦茶」「麦茶パック」購入の際には原材料の産地確認が必要です。


粉末麦茶
麦茶パック(約50パック)から粉砕麦茶を取り出し、
ミキサーで粉末状に加工した後に、マリネリ容器に充填


全国麦茶工業組合
県内産麦の放射性物質検査の結果 (茨城県) 平成24年(2012)度産
県内産麦の放射性物質検査の結果 (茨城県) 平成23年(2011)度産


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2012年7月24日火曜日

湖沼の放射能調査(その1)

湖沼の放射能調査(その1)

 

新潟県は福島原発事故による直接的な放射性セシウム汚染は低かったものの、阿賀野川の上流部に位置する福島県の只見川・阿賀川水系の放射性セシウム汚染の影響を受け続けている。 放射性セシウムは泥成分に吸着し、阿賀野川河川水と阿賀野川から取水したかんがい用水と共に下流域に移動し、水田・畑・湖沼などに及んでいると考えられるが、その実態は充分に調査されていないのが現実です。

あがのラボでは、今後も長期間継続すると思われるセシウム汚染の影響を予測するために、現時点での汚染の実態を把握する必要があると考えて、これまでに「阿賀野川河川敷堆積物」「用水路堆積泥」などを調査してきました。 今回は、泥成分が沈降しやすい湖沼を対象に放射能調査を実施しました。   調査した地点は、かんがい用水と一般河川水が混合流入している内沼(新潟市北区)十二潟(新潟市北区)、かんがい用水の直接流入が認められない瓢湖・さくら池(阿賀野市)及びじゅんさい池(阿賀野市)


採取地点



より大きな地図で 湖沼の放射能調査 を表示

 

測定結果

 

直接にかんがい用水の流入が認められない①瓢湖②瓢湖・さくら池(人工池)③じゅんさい池(ため池)では、堆積物中の放射性セシウム濃度は「検出限界未満」〜31 Bq/Kg(乾燥泥)と予想されたように低い値でした。 ただし、NaIシンチレーション測定器を用いたγ線スペクトル上にCs-137と共にCs-134のピークが明確に確認できないので、放射性セシウム汚染の原因が福島原発事故に起因するかは判断できませんでした
汚染度が低く「検出限界未満」となった②瓢湖・さくら池に関しては完全閉鎖系でその水源は天水(降雨)のみですが、①瓢湖と③じゅんさい池には河川水や沢水の流入が認められますので、今後も放射能濃度の継続測定が必要と考えています。

   かんがい用水と一般河川水の流入が認められる④内沼⑤十二潟では、閉鎖系と比べて汚染度が高くなっていると予想していましたが、実際には77 Bq/Kg(乾燥)と「検出限界未満」という低い値に留まっています。 ④内沼と⑤十二潟の底質泥を採取できる場所が流出口付近に限定されたため、沼や潟の上流部や中央部の底質泥汚染の程度は未調査なので断定できませんが、面積の狭い④内沼では水域の広い⑤十二潟よりセシウム汚染が進行しているものと考えられます。   

測定結果


さくら池周回水路の汚染状況

 

瓢湖さくら池周回水路のセシウム汚染が明らかとなりました

図に示したように瓢湖の4つの池(瓢湖本池、東新池、さくら池、あやめ池)を縦貫してかんがい用水路が流れていますが、直接に用水路水は瓢湖には流入していません。 しかし、用水路からの取水栓が中央部に存在し、さくら池周回水路にかんがい用水の一部が流れていることが分かりました。

  周回水路の上流部から下流に向かってA、B、C地点から堆積泥を採取し測定したところ、いずれの地点からも放射性セシウムが検出され、しかも下流部の方が高濃度に汚染されていることが判明しました。

この周回水路ではかんがい用水路と比べて極端に流れが悪くなるため、放射性セシウム吸着泥が堆積しやすい環境にあるものと考えられます。
上流部より下流部の方が放射能濃度が高くなっているのは、去年の福島原発事故直後に堆積した高濃度に汚染された泥が徐々に下流に移動したためと推測しています。

さくら池周回水路の下流部は住宅に隣接していますので、住民への注意喚起が必要と考えます。


      (A地点):さくら池周回水路堆積泥  138 Bq/kg 
    (B地点):さくら池周回水路堆積泥  307 Bq/kg 
    (C地点):さくら池周回水路堆積泥  484 Bq/kg



瓢湖採取地点

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2012年7月3日火曜日

かんがい用水路の堆積泥調査

かんがい用水路の堆積泥調査



  あがのラボでは、農業用水路を経由した「放射性セシウム汚染泥」の移動実態を調査するために、阿賀野川や小阿賀野川の水を灌漑用水として配水している阿賀野川土地改良区、新津郷土地改良区、亀田郷土地改良区が管理する地域を調査対象に選び、流れの緩やかな終末部の農業用水路に堆積している「用水路泥」を採取して放射能測定を実施しました。

  その結果、採取した全ての「用水路堆積泥」から放射性セシウムが検出され、阿賀野川から用水路を経由した放射性セシウムの移動拡散が確認された。

 

 

サンプリング地点と測定法

 

地図に示したサンプリング地点(①〜⑥)から採取した用水路堆積泥を天日乾燥後にふるいにかけて小石等の異物を取り除き、1リットルのマリネリ容器に充填してNaIシンチレーションカウンター(AT1320A)で5,000秒測定し放射能を決定した。 セシウム放射能濃度はCs-137とCs-134の合算で表記。 検出限界値は、それぞれ Cs-137:5 Bq/kg、Cs-134:3 Bq/kg。

 
◎阿賀野川土地改良区
    ①阿賀野市沖通    :阿賀野川頭首工→右岸幹線用水路(大荒川用水路)
    ②阿賀野市熊堂村新田 :阿賀野川頭首工→右岸幹線用水路(高関用水路)
    ③阿賀野市法柳新田  :阿賀野川頭首工→新江幹線用水路
    ④新潟市北区上大月  :阿賀野川頭首工→西部幹線用水路(長浦1号用水路)
◎新津郷土地改良区
    ⑤新潟市秋葉区東金沢 :阿賀野川頭首工→左岸低位幹線水路
◎亀田郷土地改良区
      ⑥新潟市江南区大渕  :沢海揚水機場→阿賀1号用水路









より大きな地図で 用水路堆積泥採取地点 を表示



測定結果

 

   用水路堆積泥(①〜⑥)から検出された放射性セシウム濃度(Cs-137+Cs134合算)は、161〜371 Bq/kgとなった。
   この値は、阿賀野川の河川水を利用している新潟市満願寺上水場で採取された脱水汚泥中の放射性セシウム濃度や阿賀野川河川敷堆積泥中の放射性セシウム濃度と同レベルであり、際立った濃縮などは観察されていない。 今回採取した用水路堆積泥の堆積時期等の履歴が不明なので、今後の変化を予測することはできないが、阿賀野川底質泥と用水路堆積泥を継続的に測定することで、相関関係を把握できると考えている。

   用水路の多くは一般住民が暮らす住宅地から離れた場所にあり、通常は水で満たされているので用水路内の堆積汚泥からの放射線による一般住民への外部被曝は殆ど問題にならないと考えれる。 しかし、流速が相対的に小さくなり泥の堆積が生じやすい用水路終末部や支線水路において、渇水期の乾燥や人為的な用水路泥の泥上げ作業により放射性セシウム泥の移動・拡散が発生すると予想されるので農作業中の内部被曝防止の観点から注意を払う必要がある。







かんがい用水路堆積泥の放射性セシウム


他県の状況

 

河川水のかんがい用水への利用は他県でも一般的に実施されているが、直接に用水路の堆積泥を測定したデーターはほとんど公表されていない。 環境省は、汚染状況重点調査地域に指定された福島県、岩手県、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県を対象に、河川・湖沼・ダム湖・溜池・海水浴場等の公共用水域の汚染状況を詳細に環境モニタリングしているので、そこから河川底質泥河川敷土壌の数値を抜粋して表にまとめてみました。 一方、汚染度が低く、汚染状況重点調査地域から除外されている新潟県では河川等の公共用水域の詳細な調査は実施されておらず、唯一福島県を源流とする阿賀野川の河川水・底質泥の調査結果のみ公表されているので比較として表に加えてある。







他県との比較(河川泥)


    汚染状況重点調査地域に指定された地域の河川の汚染状況は予想以上で、福島県、茨城県、宮城県に加えて千葉県・埼玉県・東京都を流れる河川の汚染が顕著となっている。 比較的汚染が低いと考えられていた岩手県や山形県でも河川の汚染が進行していることが示されており、多くの地域で河川を介して放射性セシウムの移動が進行していることが伺われる。


   ◎用水路では放射性セシウムが泥に吸着して移動するので、取水はできる限り濁りの少ない時期を選択することが必要特に、雪溶け〜梅雨の季節に用水路水の濁りが顕著

   ◎住宅地や集落に隣接して用水路が配置されている場合に、用水路水が家庭菜園に利用されているケースがある。(家庭菜園の作物は食品中の放射能スクリーニンクの盲点となっている

   ◎用水路の水を部分的に引き込んだ湖沼や一般排水路の側溝では滞留が生じやすく放射性セシウム汚染泥が堆積しやすいので、思わぬ場所に高濃度の放射性セシウムが局在している可能性がある



東日本大震災の被災地における放射性物質関連の環境モニタリング調査:公共用水域(環境省)
阿賀野川の河川水、底質及び沖合海底土等の放射能測定結果について(新潟県)
汚泥に含まれる放射性物質の調査結果について(新潟市水道局)
福島第一原発事故による新潟県への放射能の影響をとりまとめた報告書(Ver.2)(新潟県)
用水路堆積土砂の放射性物質測定結果について(神奈川県山北町)

河川汚泥中の放射性セシウム濃度の経時変化

河川汚泥中の放射性セシウム濃度の経時変化


   福島第一原発事故により放出された放射性物質の中で放射性セシウム(Cs-137, Cs-134)は阿賀野川河川水中の粘土成分(バーミキュライトやモンモリロナイト)に吸着され福島県会津地方から新潟県へと移動していることが明らかとなっています。 阿賀野川の河川水は、流域の市町村の上水道原水として利用されているだけでなく、農業用かんがい用水としても広く利用されていますので、長期にわたる水田への汚染泥の沈着が懸念されています

     新潟市が公表しているデーターを使って、満願寺浄水場(阿賀野川下流域)で採取された汚泥中の放射性セシウム濃度の経時変化をグラフにしてみました。 福島第一原発事故直後の昨年5月末〜6月初頭にセシウム濃度が大きく増加し(ピーク①)、その後急激に減少しますが梅雨の時期にやや増加しています(ピーク②)。 昨年7月に発生した新潟・福島豪雨による阿賀野川水系(阿賀川・只見川)の氾濫による放射性セシウム濃度の増加は観察されず、むしろ減少する結果となっています。 これは、おそらく大量の雨による希釈効果によるものと思われます。 渇水期の夏場には緩やかに減少し、台風が来襲する秋口になると再度上昇しています(ピーク③)。 河川泥に含まれる放射性セシウム濃度の増減は上流域(会津地方)での降雨等による川底の撹拌や、ダムからの調節放流などが影響すると思われますが、詳しいことは全く分かっていません。 現在は、満願寺浄水場付近では河川泥に含まれる放射性セシウム濃度が安定して150〜300 Bq/kg(湿土)のレベルで推移しています。
 
    一方、信濃川水系の戸頭浄水場で採取された河川泥の放射性セシウム濃度変動は満願寺浄水場での変動と異なっています。 福島第一原発事故直後の昨年5月末〜6月初頭に約1,300 Bq/kg(満願寺の1/10程度)を記録したがその後急激に低下し、際立った季節変動も観察されていません。 現在は約50 Bq/kg程度のレベルで推移しています。 阿賀野川水系(満願寺)の放射性セシウム濃度が信濃川水系より高いこと、季節変動を伴うことなどから、上流の高汚染地帯(会津地方)の影響を受けていると考えられ継続的な監視が必要と思われます。


汚泥に含まれる放射性物質の調査結果について(新潟市水道局)



満願寺汚泥放射能レベル(jpeg)


2012年6月15日金曜日

阿賀野川河川敷セシウム汚染マップ(追補)


河川敷セシウム汚染マップ



河川敷堆積物サンプリング地点


① 阿賀野市草水河川敷(水辺側) ② 安田橋運動公園の河原(水辺側) ③ 阿賀野市小浮‎河川敷(水辺側) ④ 阿賀野川総合運動場脇休耕地(堤防側) ⑤ 新潟市北区‎灰塚‎排水桶管(堤防側) ⑥ 阿賀野市下里河川敷(水辺側)(追加)

2012年6月8日金曜日

阿賀野川河川敷の汚染状況


阿賀野市小浮‎河川敷

阿賀野川河川敷の汚染状況

   阿賀野川河川敷の放射性セシウムによる汚染状況を把握するため、阿賀野川上流から下流に向かって河川敷内の5地点(①〜⑤:地図参照)から堆積泥を採取し、天日乾燥後にγ線放射能モニター(ATOMTEX製AT1320A)を用いて放射能濃度(Bq/kg乾燥土)を決定した。 その結果、5地点のいずれの堆積泥からも福島第一原発事故由来の放射性セシウム(セシウム137+セシウム134)が検出され広範囲の阿賀野川河川敷が汚染されていることが明らかとなった。

河川敷堆積物採取地点

試料採取地点 ① 阿賀野市草水河川敷(水辺側)
② 安田橋運動公園の河原(水辺側)
③ 阿賀野市小浮‎河川敷(水辺側)
④ 阿賀野川総合運動場脇休耕地(堤防側)
⑤ 新潟市北区‎灰塚‎排水桶管(堤防側)

新潟市北区‎灰塚‎排水桶管

河川敷内に堆積し表面に露出している粘土層(0〜約5cm)を採取し、天日乾燥後にふるいにかけ、小石や雑草等の異物を取り除いて測定用試料とした。

放射性セシウム濃度
地点① 6/05採取 154 Bq/kg(乾)
地点② 5/25採取 196 Bq/kg(乾)
地点③ 6/05採取  152 Bq/kg(乾)
地点④ 5/30採取 152 Bq/kg(乾)
地点⑤ 5/30採取 236 Bq/kg(乾)※

※地点⑤(写真参照)では、平成23年7月の福島・新潟豪雨で堤防上部に堆積した泥が現在まで取り残されていたと思われます。

阿賀野川河川敷で見られる堆積物は、目の細かい砂と粘土質が混ざったもので、それらの混合比が異なる層が幾重にも重なっている状況が観察されました。
草水河川敷泥 広い河川敷では水辺付近や水辺と堤防との中間地帯では、通常の増水により冠水と乾燥が繰り返されるため複雑な堆積層構造になっています 一方、堤防に近く比較的高い位置にある採取地点④や地点⑤では、平常時には冠水することがないが、大雨で異常増水した場合にのみ冠水するため(放射性セシウム濃度が高い)粘土質を多く含む層が取り残され、加えて堤防の内壁に付着した泥が雨により堤防近辺直下に洗い流されて集積したのではないかと考えています。(コンクリート製の堤防内壁と河川敷との境界には多くの場所で泥が集積しているのが観察されている)  堆積物の表層が主に砂で構成されている場所では、放射性セシウム濃度が極端に低い値となっているので、河川敷内の放射性セシウムの表面濃度は均一ではありません。

下図は地点⑤で採取した堆積物のγ線スペクトルですが、汚染の少ない土壌と比べてCs-137とCs-134のピークが明瞭で汚染は確実です。 ただし、放射性セシウムの定量時に妨害となる天然のPb-214などが共存していますので、上記の放射性セシウム濃度が過大評価されている可能性があります(NaIの限界)




γ線スペクトル5


尚、新潟県が実施し、平成24年6月7日に発表された「阿賀野川の河川水、底質及び沖合海底土等の放射能測定結果について」によると、阿賀野川の底質土(泥)に放射性セシウムが吸着し川から海へと放射性セシウムが移動していること。 阿賀野川の岸辺の堆積物には表層からの厚みにより不均一に放射性セシウムが蓄積していることが明らかとなってきました。 また、新潟県が川岸の堆積物を採取している地点が、今回我々が採取した②安田橋運動公園の河原に近い場所で、セシウムの放射能濃度もほぼ同じレベルと考えています(新潟県は乾燥せずに測定していますので放射能値は低めに出ています)。

2012年6月6日水曜日

川の流れにより移動する放射性セシウム(阿賀野川・阿武隈川)


2012年6月10日(日) 夜10時放送の【ETV特集】で阿賀野市にも関係する「阿賀野川の放射性セシウム汚染の移動」に関する報告がされますので視聴しましょう。

内容は、福島県を水源とする阿武隈川と阿賀野川の上流から下流まで独自調査した結果、阿武隈川では一日当たり1,700億ベクレルの放射性物質が移動しており、川底の土からは6万ベクレル/kgを超える高濃度の汚染が検出された。 阿賀野川支流では放射性物質の量が、雪解けを挟んで大きく跳ね上がり、粘土鉱物と結合した状態で阿賀野川の河口まで移動する実態が浮かび上がってきた。 …という深刻な事実です!

【ETV特集】ネットワークでつくる放射能汚染地図6 川で何がおきているのか
YouTube動画






阿賀野川河川泥
 


あがのラボ(あがの市民放射線測定室)でも阿賀野川右岸(阿賀野市側)の堆積泥を数点採取し調査しました。 その結果、阿賀野川河川敷が放射性セシウムにより広範囲に汚染されていることを掴んでいます(後日まとめて公表します)。 福島県の山林や土壌の汚染が継続する限り、河川による放射性セシウムの移動は今後も継続すると予想されます。 特に、雪解けや梅雨による阿賀野川増水で河川敷の冠水による放射性セシウム蓄積が考えられ、渇水期には放射性セシウムを含む堆積泥が乾燥し風により埃となって周囲に拡散することも考える必要があります。


2012年5月26日土曜日

増え続けるセシウム汚染汚泥

増え続けるセシウム汚染汚泥


     福島第一原子力発電所事故以来、阿賀野市大室浄水場で生じている「放射性セシウムを含む汚泥」の最新検査結果が水道局から発表されました。 大室浄水場では、阿賀野川水系から取水した水道原水中に含まれる浮遊汚泥等を最終的に天日乾燥床にて回収しているため、汚成分に強く吸着している放射性セシウム(セシウム137+セシウム134)が天日乾燥床に蓄積することになります。




浄水発生土に含まれる放射性物質の調査結果


     福島第一原子力発電所事故発生時に運用していた天日乾燥床(No.1とNo.2、[4つの天日乾燥床の内、2つのペアでローテション運用])には高濃度(10,000 Bq/kg以上)の放射性セシウムが検出されました、 その後に運用した天日乾燥床(No.3とNo.4)からは、2桁低い濃度で検出され、減少傾向が見られていましたが、次に運用した天日乾燥床(No.1とNo.2)からは天日乾燥床(No.3とNo.4)と同レベルの濃度の放射性セシウムが検出されており、ほとんど変化していません! 阿賀野川水系の魚や河川底泥、更には流出河口や海底泥から放射性セシウムが検出されていますので、今後も福島県側からの放射性セシウムの移動が続くことが予測されています。

     ちなみに、これまでに阿賀野市大室浄水場敷地内に保管されている放射性セシウム量は、総量で約20憶ベクレルと推計され、今後も増え続けることが危惧されています。


天日乾燥床      運用期間          放射性セシウム(Cs-134+Cs-137)濃度
  No.1   平成22年11月29日〜平成23年05月25日       10,000 Bq/kg
  No.2   平成22年11月29日〜平成23年05月25日       10,300 Bq/kg 
  No.3   平成23年05月26日〜平成23年08月18日        145 Bq/kg
  No.4   平成23年05月26日〜平成23年08月18日        460 Bq/kg
  No.1   平成23年08月15日〜平成23年12月15日       ※140 Bq/kg →130 Bq/kg(訂正値)
  No.2   平成23年08月15日〜平成23年12月15日       ※146 Bq/kg 
  No.3        運用中
  No.4        運用中  
           ※天日乾燥中の数値。水分蒸発により放射性セシウム濃度が変動することがある。
           ※天日乾燥床No.1の放射性セシウム濃度に訂正がはいりました。(2012/6/5)


 浄水発生土に含まれる放射性物質の調査結果について [pdfファイル](阿賀野市水道局 2012/05/23)


課題
①セシウム汚染汚泥の保管容量に限界がある。
②天日乾燥床の乾燥中や乾燥汚泥の集積作業中に風などにより周囲へ飛散する危険性がある。
③天日乾燥床から保管場所への集積移管作業中に作業員の被曝(内部被曝)の危険性がある。




大室浄水場

阿賀野市線量マップ(暫定版)

阿賀野市線量マップ(暫定版)

土壌と河川水のサンプリングのついでに、地上1m高の空間線量率(μSv/hr)を各地点で測定しました。 市街地、水田地帯、五頭山麓での空間線量率に大きな差異は認められませんでした。

使用機器:シンチレーションサーベイメーター TCS-172B
 ※測定値は、測定日時、天候等によるバラツキが生じますので、あくまでも参考値とお考え下さい。

※京ヶ瀬の一部地域のデーター追加(5/31)
※京ヶ瀬、分田地区の一部地域のデーター追加(6/3)






より大きな地図で 阿賀野市空間線量率分布 を表示


2012年5月22日火曜日

測定結果のまとめ

測定結果のまとめと問題点


  ①γ線放射能モニター(ATOMTEX製AT1320A)導入から1週間を経過し、あがの市民放射線測定室(あがのラボ)では、γ線放射能モニターの性能把握と測定練度を高めるため下記の様々な測定試料を検査してきました。 結果としては、いずれの検体からも放射性セシウムや放射性ヨウ素(減衰により既に消滅)による汚染を検出できていません

◎食品類: 米(新発田市産)、タケノコ(阿賀野市産)、オレンジ(カルフォルニア産)
◎水試料: 水道蛇口水(阿賀野市)、瓢湖湖水(表面水)
◎土壌類: 土壌(雨どい直下)、砂(雨どい直下)、粘土層(瓢湖湖底)
◎その他: 豆炭焼却灰、松葉(落ち葉)


  ②測定を通じて放射性セシウムや放射性ヨウ素の誤検出も確認されています(γ線スペクトル上で確認できないのにメーカー提供の解析プログラムを用いると検出されてしまう現象)

  その原因は、1) 福島県や関東地域と比べて阿賀野市の汚染度が極端に低いこと。2)試料中に存在する天然放射性核種が放射性セシウムや放射性ヨウ素の妨害となっている等が考えられます。
 (福島県や関東地域などの放射性セシウムによる汚染度の高い検体測定では、天然放射性核種よりも放射性セシウムの相対的濃度(比放射能)が大きいので、現在のところ天然放射性核種による妨害は小さいと報告されています。)

   阿賀野市の五頭山系は有名な花崗岩地帯で安田地区から採れる花崗岩(御影石)は草水石(ソウズ石)として全国的に有名! また、村杉温泉や今板温泉はラドン温泉(温泉中に地下岩石から溶け出したラドン(Rn-222 天然、ウラン系列)やラジウム(Ra-226 天然、ウラン系列)を含む)として有名です。 阿賀野市の土壌は花崗岩の風化によってできていると考えても過言ではないでしょう!


対象核種とγ線エネルギー   妨害核種とγ線エネルギー
I-131 0.364 MeV       Pb-214 0.352 MeV (天然、ウラン系列)
Cs-134 0.569 MeV        Tl-208 0.583 MeV (天然、トリウム系列)
Cs-134 0.605 MeV      Bi-214 0.609 MeV (天然、ウラン系列)
Cs-137 0.662 MeV
Cs-134 0.796 MeV      Bi-214 0.768 MeV (天然、ウラン系列)
       ※MeV(エネルギーの単位) =メガ(10の6乗)エレクトロンボルト(電子ボルト) 


  ③阿賀野市の自然計数(バックグラウンド)のかなりの部分が花崗岩由来の天然放射性核種からの放射線によると思われますので、放射線測定器で線量(μSv/h)測定する際には周囲に岩石等があると影響が出ますので十分な注意が必要です。 室内での線量が0.07〜0.10(μSv/h)でも庭石の上では〜0.20(μSv/h)、花崗岩でできた石灯籠の中では0.25(μSv/h)も計測されています。

機器のメンテナンス

   本日はγ線放射能測定器のメンテナンスを実施しているため、検体の測定はお休みです。測定結果の信頼性を担保するための定期的な保守管理です。

   なお、測定結果に疑義がある場合には緊急メンテナンスを実施しますが、通常時は2週間間隔でメンテナンスを実施します。


2012年5月20日日曜日

水道水検査

測定結果(2012-05-20)


   ATOMTEX製γ線測定器AT1320Aを用いて自宅の水道蛇口水(1リットル)を測定した結果、 有意な数値(>3σ)は得られず検出限界未満という判定になりました。 2012年4月からの新基準(水道水:セシウム合算10Bq/kg)においても基準値以下(<4.8 Bq/kg)でした。


    阿賀野市の給水は、阿賀野給水区安田給水区の2系統で運営されています。 安田給水区(旧安田町)では地下水を水道原水に用いていますが、阿賀野給水区(旧水原町)では阿賀野川表流水地下水が併用されていますので、阿賀野川の水質変化を受けやすい傾向にあります。 また、地下水が混合配水されているためかγ線スペクトル上には岩石由来の天然放射性核種の存在が認められます。


       ◎ 測定時間:10,000秒
       ◎ 水道蛇口水(阿賀野給水区水原)
         セシウムー134  検出限界未満(<2.3 Bq/kg)
         セシウム−137   検出限界未満(<2.5 Bq/kg)




γ線スペクトル比較(土壌、蛇口水)

2012年5月18日金曜日

米の産地偽装

やっぱりあった!米の産地偽装


以前から、「福島産のコメ」が産地偽装で一般に流通しているのではないのかという心配がありましたが、ブランド米「新潟県産こしひかり」に原発事故の影響で価格の下がった「福島産ひとめぼれ」を混ぜて、「新潟県産こしひかり」として販売していたことがわかってきた。 この事例が例外的ならば良いのだが実態は詳しく調査されていないのが現実です。 もしも、「福島産ひとめぼれ」が放射能汚染されていたとなったら、問題はさらに深刻となる。

県産コシ偽装、福島米を混入か(新潟日報 5/18)
県警は、昨年3月の東京電力福島第1原発事故による風評被害の影響などで価格が下がったコメを、高値で売れる県産コシヒカリと偽って販売し、利益を得ていた疑いもあるとみて調べている。
市場価格より異様に安い「新潟県産コシヒカリ」や、新潟県産と書かれているが怪しげな業者のお米は疑ってみる必要があるようです。  皆さんの食べているお米は大丈夫ですか?

    参考:阿賀野市小浮にある農業生産法人 百姓一揆では独自にお米の放射能検査を実施し出荷していますし、生協パルシステムと提携して「コシヒカリ」を供給している阿賀野市笹岡のJAささかみのお米は生協会員に届く前に厳しい検査を受けています。  農家の方々もいろいろと努力されているのですが米の産地偽装事件が起きると新潟産米に対する消費者の信頼が崩れてしまうことに...

2012年5月17日木曜日

「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味

「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味


現在、国・自治体・民間機関・市民測定所等で食品中の放射能検査が頻繁に実施されています。 公表された検査結果に書かれている、「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」などの表記をご覧になったことがあると思いますが、検査機関によって表記が異なるので多くの一般市民は混乱してしまうという実態があります。

今回は、「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味を解説してみましょう!

それぞれの表面的意味としては
① 「ND」:Not Detected(検出されなかった)  疑問:ほんとに無かったの?
② 「不検出」:検出されなかった   疑問:ほんとに無かったの?
③  「検出されず」:検出されなかった  疑問:ほんとに無かったの?
④ 「検出限界未満」:検出できる最小値に満たなかった  疑問:実際はどのくらいだったの?
….となるのですが、いずれも適切な表現ではなく、①〜③は「ゼロ」と思ってしまう方もいらっしゃるだろう! 実は意味するところは全て同じなのです。表現が好ましくないのです。出来れば使用しないでいただきたい。

壊変は確率現象


セシウム137やヨウ素-131等の放射性核種が壊変するのは、いつも一定ではなくてバラツキを持った確率的な現象なのです。(10枚に1枚は当たるはずの宝くじの末尾賞300円ですが、バラで100枚買っても必ずしも10枚当たるとは限らず11枚の時もあるし8枚の時もある…..)

バラツキをもった放射性核種の壊変に伴って放出される放射線を、測定器で観察するわけですから測定値も当然バラツキをもってしまうわけです。 長時間観察したら(大量の宝くじを買ったら)、一定の放射能に収束する(10枚に1枚当たる状況に近づく)わけですがバラツキが全く無くなるわけではありません。

自然計数もバラついている


測定器に検体をセットしていない状態でも周囲にある自然界の放射線によりカウントされてしまう現象があります。 これが自然計数(バックグラウンド)と呼ばれるもので、同様に一定ではなくバラツキを持っています。 測定器に検体をセットした状態では、バラツキを持った自然計数に加えてバラツキを持った検体中の放射性核種からの放射線を同時にカウントするわけですから、測定値は大いにバラついて益々信頼性がない状態が生まれています。

信頼性を高めて数値を得るには


純粋に「検体からの放射線」のみを区別するためには「自然計数」を差し引く必要がありますが、「自然計数」も「検体をセットした時の計数」もバラついていますので、差し引いた後のバラツキは更に拡大することになります。(不確かなものから不確かなものを引いたら、結果はさらに不確かになる!)

([検体+自然計数] ± バラツキ1)−([自然計数] ± バラツキ2)=([検体] ± バラツキ3)

このような計算で得られた([検体] ± バラツキ3)を、正味の計数(N) ± 標準偏差(σ)と表します。

標準偏差(σ)を正味の計数(N)と比較して相対的に小さくするには、近似的にσ=√Nの関係にあるので「長時間測定による計数増加を促すこと」が重要となります。

ここからは統計学になるのですが
N ±σ とは、100回測定した場合にNが68.3%の確率でバラツキ範囲(σ)に収まるという意味になり、以下同様に
N ± 2σ では、95.4%の確率でバラツキ範囲(2σ)に収まることになり、
N ± 3σ では、99.7%の確率でバラツキ範囲(3σ)に収まることになります。

放射能決定する場合には、その数値に確かさを持たせるため、厳しい条件 N ± 3σで判定するのが一般的となっています。 即ち、N>3σが成立していることが判定条件で、99.7%以上の信頼性でNが意味のある数字(有意な数字)だと言える必要がある。 計数値よりバラツキのほうが大きい条件 N<3σ では、Nが意味を持たないと判定され(「統計的に信頼性がない数値」と判断されます)

「ND」「不検出」「検出されず」は判断できないという意味


まとめると、「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味することは同じで、この測定条件では自信を持って「放射能があると言えなかった」という意味になります。

① 「ND」:「統計的に信頼性がない数値」だから「放射能がある」と言えなかった
② 「不検出」:「統計的に信頼性がない数値」だから「放射能がある」と言えなかった
③  「検出されず」:「統計的に信頼性がない数値」だから「放射能がある」と言えなかった
④ 「検出限界未満」:<3σ(検出限界値)未満だから「統計的に信頼性がない数値」であり「放射能がある」と言えなかった



あがの市民放射線測定室(あがのラボ)では「ND」、「不検出」、「検出されず」は誤解が生じやすいので使用せず、「検出限界未満」<3σ(検出限界値) 表記を用います。

2012年5月16日水曜日

測定結果(2012-05-16)

測定結果(2012-05-16)


ATOMTEX製 AT1320Aを用いて自宅で毎日摂取している「お米」と近くにある「湖沼水」を測ってみました。 いずれも有意な数値(>3σ)は得られず、検出限界未満という判定になりました。   23年産のお米に関しては、経過措置として2012年9月30日までは旧基準(500 Bq/kg)が適用されていますが2012年4月からの新基準(一般食品:100 Bq/kg)においても基準値以下でした。 新潟県下越のお米には放射性セシウムがほとんど含まれていません。 今後は産地を変えて調査してみます。

◎ 測定時間:10,000秒
◎ 新潟県新発田市菅谷産こしひかり(23年産) スーパーで購入
          ヨウ素ー131   検出限界未満(<1.9 Bq/kg)
          セシウムー134  検出限界未満(<2.3 Bq/kg)
          セシウム−137   検出限界未満(<2.6 Bq/kg)


   阿賀野市へ流入する水源の一つとしてとして五頭山系からの河川水があります。 この水は農業用水にも使用され、一部は白鳥の湖として知られる「瓢湖」にも流入しています。 河川泥等に吸着した放射性セシウムが湖沼などに流入すると、流れが淀み滞留が生じるため沈降濃縮され、湖沼水も汚染される可能性が考えられたので、表面水の検査しましたが、検出できません! 次回は湖の底に沈んでいる泥を採取し放射性セシウムの有無を調査する予定です(採取用の装置を作らないといけませんね〜

◎ 測定時間:10,000秒
◎ 湖沼水(新潟県阿賀野市・瓢湖) 独自サンプリング
ヨウ素ー131   検出限界未満(<2.2 Bq/kg)
          セシウムー134  検出限界未満(<2.7 Bq/kg)
          セシウム−137   検出限界未満(<3.0 Bq/kg)



2012年5月15日火曜日

γ線放射能モニター設置

γ線放射能モニター設置


  アトムテック製ガンマー線放射能モニター(AT1320A)が「あがのラボ」に設置されました。 思っていたより図体は小さいですが、外観の大部分を占める鉛の遮蔽体は想像以上に重い(100キログラム超) 

どこかで見たような形だな〜と考えていたら「盆提灯」にも「バクテリオファージ」にも見えないことはない

これで、本格的な測定がスタートできそうです。 とりあえず数週間は測定練度を上げるために様々なサンプルを測定してみます。

勉強、見学、冷やかし...いつでも「あがのラボ」にお越しください! 歓迎いたします。(村上)

2012年5月14日月曜日

あがの市民放射線測定室(あがのラボ)運営方針

あがの市民放射線測定室(あがのラボ)運営方針


1.【公開の原則】検査結果(放射能濃度、検体の種類、採取地、購入場所、産地、製造者、ロット番号等)一般公開を原則としていますので、公開を許可できない場合の検査はお引き受けできません

2.【測定費用】「あがのラボ」は「測定用試料」を計測し、放射性セシウムと放射性ヨウ素の検体中の放射能濃度(Bq/Kg)をご依頼者にお知らせします。 測定に関わる費用はいただきません(無料測定)

3.【試料作成】「測定用試料」は、体積で約1リットル必要です(500ml、100mlでも測定可能ですが精度が低くなります)。 試料作成はご依頼者自身で実施してください。 固形食品は細切れに裁断するかミキサーなどでできるだけ均一にしてください。ご依頼者が測定室に持ち込み、測定後には持ち帰って戴きます。 試料作成の詳細は事前にお問い合わせください。 

4.【検査可能な試料】米などの穀物液体試料(蛇口水、湖沼水、河川水、ジュース、お茶、牛乳等)、青果物(野菜、果物)、山菜類(タケノコ、きのこ等)、鶏卵肉類海産物(可食部)、カマボコ等の加工食品瓶詰め・缶詰等の保存食など多岐にわたりますが、岩石由来の天然放射性物質を多量に含むと考えられる土壌や井戸水等の検査では信頼性が低くなることをご承知ください



 連絡先(測定予約)
    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上
            0250-62-3102  /  080-3208-6563

あがのラボ放射能無料検査申込書pdf


  

旅するセシウム

河川から海へ移行するセシウム


   関東地方の土壌を汚染させた放射性セシウムが、河川を通じて東京湾に流れ込み、東京湾の海底土の汚染が進行していることが明らかとなった。 東京湾は拡散が比較的少ない内湾なので、今後長期にわたりセシウム汚染が進行すると考えられている。 「江戸前の寿司」が危機にさらされています。

東京湾の海底土のセシウム、7か月で13倍に(読売5/14)
東京湾の海底土に含まれる放射性セシウムが、昨年8月から約7か月間で1・5~13倍に増えたことが、近畿大の調査で分かった。 東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出されたセシウムが、河川から東京湾に流れ込んだとみている。

新潟県でも昨年の水害後の8月に阿賀野川流域並びに海底汚泥の調査が実施され、阿賀野川河口河川底土から82 Bq/kg、阿賀野川沖水海底土で7.2〜146 Bq/kg、関屋分水沖海底土 11.1 Bq/kgの放射性セシウムが検出されている。 福島県会津地域のセシウム汚染が河川水によって運ばれ日本海の海底土を汚染させていると考えられる。 現実に、阿賀野川水系のフナ、イワナ、ウグイなどからも放射性セシウムが検出されている。 一方、奥只見湖などの閉鎖系湖沼に関しては、河川と比べて魚類の汚染進行が急速に進んでいるようです。

福島第一原子力発電所事故に伴う新潟県内の放射線等の監視結果(Ver.2)