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2015年8月3日月曜日

水煮タケノコ(福島県南相馬市 平成27年産、非流通品)

水煮タケノコ(福島県南相馬市 平成27年産、非流通品)

      原発事故後4年経過した現在でも、タケノコの出荷制限は福島県内で11市6町5村(福島市、二本松市、伊達市、本宮市、郡山市、須賀川市、田村市、白河市、相馬市、南相馬市、いわき市、桑折町、川俣町、三春町、広野町、楢葉町、新地町、大玉村、西郷村、川内村、葛尾村)、岩手県内3市(一関市、陸前高田市、奥州市)、宮城県2市1町(白石市、栗原市、丸森町)、茨城県10市3町1村(石岡市、龍ヶ崎市、北茨城市、取手市、ひたちなか市、潮来市、守谷市、鉾田市、つくばみらい市、小美玉市、茨城町、大洗町、利根町、東海村)、栃木県4市1町(日光市、大田原市、矢板市、那須塩原市、那須町)、千葉県7市2町(木更津市、柏市、市原市、船橋市、八千代市、我孫子市、白井市、栄町、芝山町)で継続しています。

     今回、出荷制限されている福島県南相馬市産の「水煮タケノコ」 を入手測定しました。 タケノコは自家消費目的で生産者が生タケノコをアク抜き後水煮処理したものですが、残念ながら放射性セシウム(Cs137+Cs134)が完全には抜けきらずに残っていました。


前処理:水煮タケノコをミキサーで細断し、500 ml 測定用平型容器に充填し、NaIシンチレーション式
検出器で50,000 秒測定(2015年5月14日測定)





タケノコのアク抜き・水戻しによる放射性セシウムの低減効果について

      タケノコのアク抜き・水戻しにより放射性セシウム濃度が最大80%も低減すると報告されていますが、方法によっては効果がさほど見られない場合もあるようです。 例えば、アク抜きを切れ目を入れた皮付きのままで実施した場合には、皮を取り除いたタケノコより放射性セシウムの抜けが悪く、更にアク抜き後の水戻しが不十分な場合は、アク抜き時に煮汁に溶け出した放射性セシウムがタケノコ本体から抜け切らないことも報告されています。 長時間のアク抜き・水戻しを徹底すれば放射性セシウムの低減は確かに期待できますが、タケノコ本来の風味も失われます。
    いずれにしろタケノコをアク抜き水戻しを実施しても完全には抜け切らなことは明らかで、春の恵みを食するか否かは個々人の判断に任されています。



  ★連絡先
   あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上
           0250-62-3102  /  080-3208-6563
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2015年8月2日日曜日

浄水場発生土中の放射性セシウム(阿賀野川と信濃川)

浄水場発生土中の放射性セシウム

      福島第一原子力発電所事故の発生後から新潟市水道局では浄水場発生泥中の放射性セシウム濃度(Bq/kg)をモニタリングしている。   信濃川水系の河川水を水道源水に利用している戸頭浄水場では2014年の冬で中断しているが、福島県会津地方に直結している阿賀野川水系の河川水を利用している満願寺浄水場では調査が継続している。

    汚染地帯を源流とし流域に汚染地帯を抱える阿賀野川では、事故後4年以上経過しても河川水に含まれる「濁り成分」に含まれる放射性セシウム濃度はこれ以上低減する傾向は見られず約100Bq/kg程度で推移している。   このデーターから事故の影響は想像以上に長期に渡ることは明らかで、今後も監視が必要となっている。

   河川水を介した放射性セシウムの移動は、新潟県内の阿賀野川や信濃川に限らず福島県や関東圏の多くの河川で観察されており、河川水を農業用水や水道源水に利用している限り充分なモニタリングと推移に注目する必要がある。




   

2015年8月1日土曜日

「新潟県南魚沼市六日町」の土壌汚染

「新潟県南魚沼市六日町」の土壌汚染

    新潟県内で汚染度が最も高いと地域と考えられている「南魚沼地域」の状況を把握するために原発事故から4年を経過した2015年7月7日に、幾つかの土試料をサンプリングし放射性セシウム濃度(Bq/kg)を求めてみた。

サンプリング地点と測定結果

◎「沿道土壌(国道17号線)」:放射性セシウム合算 762 Bq/kg
◎ 「用水路堆積泥」:
放射性セシウム合算 436 Bq/kg
◎ 「一般土壌(神社表層)」:
放射性セシウム合算 138 Bq/kg
◎「河川敷土壌(魚野川)」:放射性セシウム合算 45 Bq/kg

    魚野川の「河川敷堆積土」は45 Bq/kgで「阿賀野川河川敷土」と比べて低い数値を示したが、神社から採取した「一般土壌」や「用水路堆積泥」、国道17号線の両脇に堆積した「沿道土壌」では阿賀野市や新潟市と比較して高い数値を示した。   南魚沼市六日町地域では、原発事故発生時に広い範囲が中程度に汚染され周囲の表層土が降雨により魚野川へと流れ込み底質土として堆積し、魚野川河川水を利用した農業用水路を介して水田に放射性セシウム汚染泥が現在も供給されているものと推測できる。


 「沿道土壌」の比較  :「南魚沼市六日町」と「新潟市」

       南魚沼市六日町で採取した「沿道土壌」で 762 Bq/kgと高い汚染を確認した。 「沿道土壌」には周囲から自動車等により汚染土が運搬され放射性セシウムが集積する傾向があり、阿賀野市の事例のように道路近隣の「一般土壌」で放射性セシウムが検出されない場合でも遠距離の汚染地域からの運搬により幹線道路の「沿道土壌」から放射性セシウムが検出されることが多々ある。 
      幹線道路は市街地の住環境に隣接しており「沿道土壌」が乾燥時に周囲に埃を舞い上げる発生源となっており、放射性セシウムの汚染拡大や将来に継続する被曝防止の観点で重要な対象と考えている。
 




  同時期に新潟市と南魚沼市六日町で採取した「沿道土壌」を比較してみると、と南魚沼市六日町の方が70倍程度汚染度が高く新潟県内では南魚沼地域の汚染が際立っていることが再確認できた。 一方、新潟市では住環境における「一般土壌」の汚染は極めて低く、移動や濃縮が発生すると考えられる「沿道土壌」に於いても低いレベルに留まっていることが判った。







2015年7月29日水曜日

用水路堆積泥中の放射性セシウム濃度変化

用水路堆積泥中の放射性セシウム濃度変化(2012年〜2015年)

      新潟県阿賀野市内の灌漑用水は、福島県会津地方を源流とする阿賀野川の河川水を利用している。 取水口から離れた末端の用水路では、幹線用水路と比べ極端に流速が落ちるため用水中の濁り成分が沈殿して用水路に「泥」の堆積が発生する。  2012年から支線用水路に堆積した泥中の放射性セシウム濃度を調査しているが、個々のサンプリング地点の放射性セシウム濃度(Bq/kg)が2012年では大きく異なっていたが、最近はいずれの地点も減少傾向にあり約100Bq /Kg程度に低下している。

      この調査とは別に、新潟市水道局が実施している阿賀野川河川水を利用した水道浄水場に於ける「脱水汚泥中の放射性セシウム濃度」の調査でも阿賀野川の河川水汚泥の放射性セシウム濃度が約100 Bq/kg程度で安定している。


浄水場発生土中の放射性セシウム(阿賀野川と信濃川)

      原発事故初期(2011年)に高濃度に汚染された河川泥が阿賀野市の用水路の各所に沈殿堆積していたが、時間とともに下流へと移動し、現在では何れの地点でも約100Bq /Kg程度まで減少していると考えられる。 確認された減少傾向が今後も継続すれば用水路を介した放射性セシウム汚染泥の水田への流入が「米」への放射性セシウムの移行を引き起こすことは考えにくいが、阿賀野川上流で洪水等が発生することで、下流域に高濃度の放射性セシウム汚染泥が新たに運ばれてくる可能性が否定できないので、今後も継続した監視が必要と考えられる。




◎用水路堆積泥のサンプリング地点
    ①阿賀野市沖通:右岸幹線用水路(大荒川用水路)の支線用水
    ②阿賀野市熊堂村新田:右岸幹線用水路(高関用水路)の支線用水
    ③阿賀野市法柳新田:新江幹線用水路の支線用水
    ④新潟市北区上大月:西部幹線用水路(長浦1号用水路)の支線用水









2014年4月23日水曜日

セシウム汚染泥の距離による変動

用水路堆積泥のセシウム汚染(西部幹線用水路)

  阿賀野市には「阿賀野川土地改良区」が管理する阿賀野川河川水を利用した用水路網が存在する(図参照)。   これまでに、「あがのラボ」では幹線用水路の末端地域の支線用水路に堆積する用水路泥中の放射性セシウム濃度の経年変化を調査してきた(阿賀野川堆積泥、用水路堆積泥(2012〜2013))。  その結果、流速が小さい末端支線水路には2年半を経過しても未だに約80〜300 Bq/kgの汚染泥が存在すること、大雨等の気象条件で変動することなどが次第に判ってきた。

    今回は、幹線用水路の上流から下流にどのように汚染泥が分布しているかを調べるため、阿賀野市のほぼ中央を流れる「西部幹線用水路ー長浦2号用水路」を対象に、幹線用水路から水田への取水口付近の堆積泥を採取し、放射性セシウム濃度を求めた。

  

なお、測定試料採取日の2014年4月2日で用水路への春季通水は実施されていない。

 

測定結果

 Cs-137+Cs-134 放射能濃度(Bq/kg) 

① 阿賀野市寺社           20

②阿賀野市小境            26

③阿賀野市下ノ橋         69

④阿賀野市五郎巻         92

⑤新潟市北区長場          8

 

考察

  幹線水路取水口近傍の支線用水路に堆積した泥に含まれる放射性セシウム濃度は上流(阿賀野市寺社)から下流(阿賀野市五郎巻)に向けて上昇傾向にあるが、最も下流地域(新潟市北区長場)では極端に低くなっていた。   今回の結果からは断定できないが、福島第1原発事故発生時に用水路に流入した高濃度汚染泥が、水流によって希釈されながら下流へと流されるが、最も濃度の濃い部分はゆっくりと数年をかけて下流に流れて行くため現時点では「阿賀野市五郎巻」付近にその先端が存在していると考えられる。



2014年4月21日月曜日

福島県の土壌汚染

福島県の土壌

阿賀野市の「原発ゼロの会」の視察に同行した際に採取した土壌サンプルの測定結果です。

 福島県富岡町では、44万ベクレル/Kgものセシウム汚染土壌が存在していました。 阿賀野市から富岡町に向かう際の高速道PA土壌にも数千ベクレル/Kgの土壌がありました。(写真は津波で破壊された富岡駅)



測定結果の報告書

福島視察.pdf

 

2013年10月13日日曜日

阿賀野川堆積泥、用水路堆積泥(2012〜2013)

阿賀野川堆積泥、用水路堆積泥(2012〜2013)


 昨年度に引き続き、阿賀野川河川敷堆積泥と用水路堆積泥の定点測定を実施した。

 阿賀野川河川敷堆積泥

2013年9月に、阿賀野市安田運動公園脇の右岸阿賀野市下里(新潟市満願寺浄水場対岸)右岸から、河川敷に堆積した泥を採取し、乾燥後にふるいに掛けて異物を取り除いた試料を作成し測定検体とした。 今回の試料採取は台風18号の影響で阿賀野川の増水が発生した後に実施した。

   福島第1原発で放出された放射性セシウムは、阿賀野川上流域の会津地方に降り注ぎ土壌に沈着し、2011年7月に発生した「新潟福島豪雨」によって下流に運ばれて、増水によって冠水した阿賀野川下流域の河川敷に堆積したと考えられている。

   「新潟福島豪雨」以後は、下流域の河川敷が冠水する程の増水が発生していないので、堆積した泥の中の放射性セシウムは徐々に物理的半減期に従って減少傾向にあったが、2013年9月の台風18号による増水で新たに河川敷が泥によって覆われることになった。 増水の直後にサンプリングした2地点の放射能濃度は約270 Bq/kg と大幅に増加した

  福島原発事故から既に2年半も経過しているが、阿賀野川を介した放射性セシウムの移動は今もなお発生しており、大雨時には河川の混濁により大量の高濃度汚染泥が運ばれて来るものと考えられる。


用水路堆積泥

  2012年に引き続き、2013年6月と10月に阿賀野市法柳新田、新潟市上大月、阿賀野市熊堂、阿賀野市沖通の4地点から支線用水路に堆積している泥を採取し、含まれている放射性セシウム濃度を求めた。
  阿賀野市沖通の放射性セシウム濃度は2013年に急激に減少しているが、他の3地点は減少が少ないか、逆に増加している地点も存在した。
 これらの支線用水路は幹線用水路から距離があり、流速も遅いことが確認されているので、用水路水と共に運搬されてきた泥成分が沈殿しやすい状況にあるのは確実と考えられる。 しかし、阿賀野川から取水された用水に含まれる泥成分が、どの位の時間で末端支線水路に移動しているのかは不明であるため、観察された放射性セシウムの濃度変化の解釈は難しい!

 

  今回の2013年10月サンプリング時に、通常は大量の水が流れている「新江用水路」に通水が止められていたので、幹線用水路に堆積している「泥」を採取することができた。

  その放射能は、放射性セシウム合算で 65 Bq/kg と予想より低く、「新江用水路」の支線となる阿賀野市法柳新田の放射能 233 Bq/kg と比べても1/4となっていた。 このことは、一旦、流速の遅い支線用水路に入って沈殿した「泥」成分は、かなりの時間をかけてゆっくりと下流に押し流されている可能性が大きい。 
 今後、同一用水路の上流から下流に向かって放射性セシウム濃度の変化を追跡する予定。 






 

2013年8月27日火曜日

道路を介したセシウム移動(沿道土壌調査)

沿道土壌調査


  「あがのラボ」では阿賀野市内の国道49号線(若松街道)、国道290号線、県道27号線、県道55号線、県道255号線などの沿道に堆積している土壌および、道路に隣接する近傍の土壌を採取し、土壌中の放射性セシウムの濃度を調べている。     

   この調査の目的は、放射性物質が雨や風などの自然現象だけでなく、道路を介した車の移動によって汚染地帯から非汚染地帯へと移動・拡散すると予測できるので、福島県の会津地方に近い位置にあり発災当時には一般土壌の汚染が極めて低い阿賀野市内にどのくらい道路を介した放射性物質の持ち込が発生しているのかを明らかにすること。



サンプリング地点と放射能濃度(Bq/kg)

沿道土壌(黄色)、近傍土壌(緑)


 沿道土壌には、福島原発由来の放射性セシウム(Cs-137、Cs-134)が検出されるが、近傍の土壌からは殆ど検出されないことから、道路の両端には周囲よりも多量の放射性セシウム(Cs-137、Cs-134)が存在することが判ってきた。 

 沿道土壌に含まれる放射性セシウム濃度は、<160 Bq/kg程度で道路の交差点や坂道の下などで高くなる傾向が認められる。 沿道土壌の放射性セシウムは、阿賀野市内の神社・寺院等から採取した一般土壌の放射性セシウム濃度(9〜33 Bq/kg)と比較しても2倍以上の濃度で、福島原発由来の短半減期Cs-134が検出できる。 原発事故初期に、大気中から道路上に降下した放射性物質は雨などにより道路の両側に集積し側溝に洗い流されと考えられるが、2年半が経過しても沿道に高濃度で存在することから「初期の降下物」が残留していると考えるよりも、車のタイヤ等に付着した放射性物質が汚染地域から新たに運ばれていると考える方が説明が付く。


沿道土壌と近傍土壌のγ線スペクトル





2013年7月15日月曜日

昆虫飼育マット

 昆虫マット

  夏休みの自由研究に使用されるカブトムシやクワガタなどの昆虫飼育用マットをダイソーで入手し、放射性セシウムによる汚染を調査してみました。

  昆虫マットには、「腐葉土」や「朽木粉砕おがくず」などが使用されていますので、放射性セシウムによる汚染が疑われています。(多くのメーカーでは、汚染土の高い東日本を避けて、西日本製の「腐葉土」や「朽木粉砕おがくず」を使用しています。)



 ◎ダイソー昆虫マット(「昆虫マット」高発酵・高栄養・プロテイン配合・腐葉土)
    597グラム、50,000秒
    Cs-137(検出限界未満、<1.3 Bq/kg)
    Cs-134(検出限界未満、<1.3 Bq/kg)



◎ハイグレード昆虫マット(「くぬぎ伝説」くぬぎ・ならの朽木を粉砕)
    476グラム、50,000秒
    Cs-137(検出限界未満、<1.7 Bq/kg)
    Cs-134(検出限界未満、<1.6 Bq/kg)





  ※γ線スペクトル上には明確なピークは確認できません。 高エネルギー側のCs-134の領域にはピークは確認できません。 一方、低エネルギー側のCs-134の領域にはBi-214の影響が見られます。 「昆虫マット(朽木、「くぬぎ伝説」)」のCs-137に相当する部位に僅かな膨らみが確認できます。




2013年7月8日月曜日

放射性セシウムが路傍の「コケ」に含まれている

「コケ」(セシウム汚染の指標)

  地衣類やコケが放射性セシウムを濃縮することが報告されているので、阿賀野市に自生している「苔(コケ)」を採取し、γ線スペクトルを観察してみました。

   採取した「苔」から土壌を取り除くために水洗いし、水切り後に新聞紙上に広げて乾燥後NaIシンチレーションカウンターで測定し、ガンマー線スペクトルを得た。

  γ線スペクトル上には、福島原発事故由来の放射性セシウム(Cs-137、Cs-134)に加えて、宇宙線により大気中に生成する放射性ベリリウム(Be-7)のピークが観察された。  同じ阿賀野市内で採取した「コケ」でも、放射性セシウムが含まれていない「コケ」もあるため、現在、「コケ」に含まれるセシウム濃度と採取地点との地理的関係から放射性セシウムの供給源を調査中






  ※大気中のBe-7、天然のラドンやその娘核種は、植物の呼吸によって植物体の葉に取り込まれるため、しばしば植物サンプルのγ線スペクトルに現れる。 半減期の短いラドンの娘核種(Bi-214、Pb-214)はエイジングによって減少するため、γ線スペクトルで区別可能。

用水路堆積泥中の放射性セシウム濃度変化

用水路堆積泥の放射性セシウム

 昨年に引き続いて用水路に堆積している「泥」を採取し、放射性セシウムの濃度を求めた。 定点測定の数値変動を見ると、全体的に下降傾向は認められるが、流れが緩やかな地点では変動が少ない。

 用水路と同様に、阿賀野川の河川水を水道源水として使用している新潟市や阿賀野市の浄水発生土数値も放射性セシウム合算100 Bq/kg 以上で推移している。

 

2012年11月1日木曜日

土壌汚染調査(その1)

土壌汚染調査(その1)


  福島原発事故による土壌の放射能汚染を調査するため、阿賀野市及び周辺地域の土壌を採取し放射性セシウムの放射能濃度を求めてみました。

   土壌採取は、土壌表面が農作業により撹拌される畑や水田を避けて、居住地近くにある神社等を選んで、数点からの表面土(〜深さ5cm)を採取した。
  比較対象として、福島県に近く、きのこ等のセシウム汚染が確認されている阿賀町の土壌も調査した。


 測定結果

    阿賀町鹿瀬で採取した土壌からは、放射性セシウムのCs-137Cs-134が検出され、福島原発事故による汚染が確認できた。 一方、その他の地点では放射性セシウムは検出限界未満か検出されてもCs-137のみで、直接的な福島原発事故の影響を確認できなかった。 検出限界未満となった地点のγ線スペクトル上には僅かではあるがCs-137の存在が確認できるので、Cs-137の起源は過去の原爆実験やチェルノブイリ事故によるものと推測している。

    現時点では、阿賀野市の一般土壌に関しては明確な福島原発事故による汚染が認められていないが、阿賀野市に隣接する阿賀野川河川敷の汚染かんがい用水路に堆積する汚泥の汚染が確認されているので、それらの移動拡散による二次汚染に注意を払う必要がある。
    
   
                            測定時間:30,000秒
土壌採取地点 採取日 測定日 放射性セシウム合算
(Bq/kg(乾))
阿賀野市寺社 2012-10-09 2012-10-18     33
阿賀野市上江端 2012-10-15 2012-10-18     20
阿賀野市里 2012-10-19 2012-10-23     15
阿賀野市小松 2012-10-24 2012-10-29     15
阿賀野市大室 2012-10-03 2012-10-06     13
阿賀野市田山 2012-10-22 2012-10-26       9
阿賀野市中央町 2012-10-15 2012-10-19 検出限界未満(<3.0)
阿賀野市中島町 2012-10-17 2012-10-19 検出限界未満(<3.0)
阿賀野市山口町 2012-10-19 2012-10-22 検出限界未満(<3.0)
阿賀野市月崎 2012-10-19 2012-10-22 検出限界未満(<3.2)
阿賀野市関屋 2012-10-22 2012-10-25 検出限界未満(<3.2)
阿賀野市小浮 2012-10-15 2012-10-20 検出限界未満(<3.0)
阿賀町石間 2012-10-24 2012-10-29     10
阿賀町鹿瀬 2012-10-24 2012-10-28     74
                              ※Cs-137のみ検出






解説
   土壌や井戸水等の検体を測定する場合に、検体中に含まれる天然の放射性核種(Bi-214、Pb-212、Tl-208など)が放射性セシウムのγ線エネルギーと似かよっているために誤検出を生じることがあります(下図参照)。
   天然核種と比べて大量に放射性セシウムが含まれている場合は、天然核種の妨害があっても有意に放射性セシウム濃度を求めることができますが、含まれている放射性セシウムが相対的に少量の場合に天然核種(特にCs-134のγ線エネルギーと似かよったBi-214)の影響が出てしまいます。

   今回の測定でもBi-214の影響のため誤検出(Bi-214をCs-134と間違ってしまう現象)が発生しました。「あがのラボ」では解析結果に表示された数値を評価する際に必ずγ線スペクトルを見て判定しています。
  


  今回の土壌サンプルの多くは、Cs-134が検出されずCs-137のみが検出されました。 下図に示したのは、土壌中に含まれるBi-214がほぼ同じで、Cs-137のみが異なる場合のγ線スペクトルです。   現時点では、半減期2年のCs-134が完全に消えていませんのでCs-134とCs-137が同時に検出されることを根拠に福島原発事故の影響を確認できますが、数年後にはCs-134の検出が困難となり、対象核種がCs-137のみとなってしまい、「原発事故による汚染だ!」という言及もできなくなってしまいます。 その意味で、早期の汚染実態調査が重要になっています。




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2012年10月23日火曜日

阿賀野市産の「柿」は大丈夫か?

阿賀野市産の「柿」は大丈夫か?



阿賀野市産(路地物)の柿を検査してみました。

  柿の皮をむいて、ヘタ、種を除去し可食部をサイコロ状に包丁で裁断した後に1リットルマリネリ容器に充填して測定。
  柿の果肉は比較的柔らかいので上から圧力を加えて抑えこむとギッシリと充填できます(ミキサー等でジュース状に加工すると、柿に含まれる糖分のため測定中に発酵が生じ、容器から溢れてしまいますのでお勧めできません。) なお、用いた柿は渋抜き操作を実施していません!

  測定後の柿は、発酵こそしていませんでしたが、表面がジャム化しており容器がベタベタ状態........測定操作は無菌状態で実施しておりませんので衛生上危険と判断して廃棄しました。


測定結果
   Cs137もCs134も検出限界未満で検出できませんでした。 また、γ線スペクトル上にも該当核種のピークは確認できません。

試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
柿(阿賀野市産路地物) 2012-10-20 2012-10-21 904g 検出限界未満(<1.4) 検出限界未満(<1.4)
                                             ※測定時間は20,000秒

      尚、福島県では、24年産の柿からセシウム合算で最大 87 Bq/kg が検出されています。
        ◎福島県農林水産物モニタリング情報


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2012年10月14日日曜日

秋の味覚の「クリ」検査


秋の味覚の「クリ」検査


2012年8月〜2012年10月の福島県のモニタリング結果を見ると、秋の味覚「クリ」で〜150 Bq/kg、「ミョウガ」〜50 Bq/kg と他の農産物と比較して放射性セシウムが頻繁に検出されています。

  新潟県の汚染状況を知るために、五泉市村松産の「クリ」阿賀野市産路地物「ミョウガ」を測定してみました。

  その結果、いずれも検出限界未満となり「クリ」は栗ご飯に、「ミョウガ」はサラダとお吸い物にしていただきました。 (クリの皮むきは大変な作業でしたが、これが今晩の「栗ご飯」になることを期待して奮闘しました。)





試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
クリ(五泉市村松産) スーパー購入 2012-10-14 912g 検出限界未満(<1.6) 検出限界未満(<1.5)
ミョウガ(阿賀野市産路地物) 2012-10-12 2012-10-13 527g 検出限界未満(<2.8) 検出限界未満(<2.6)
                                             ※測定時間は15,000秒



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阿賀野川河川敷の汚染状況(その2)

阿賀野川河川敷の汚染状況(その2)


  5月末から6月初頭にサンプリングした阿賀野川右岸の6つの河川敷のうち2つの地点を選択して、再び土壌を採取して放射能濃度の変化を調べてみました。

  下流域にあたる阿賀野市下里河川敷では、5ヶ月経過しても河川敷土壌中の放射性セシウム濃度にほとんど変化がありません。 一方、上流域の安田橋運動公園河原に関しては数値が大幅に減少していました。

  安田橋運動公園付近で今年の夏から河川の護岸改修工事が実施されているため放射性セシウム濃度の減少は、自然減ではなく人為的なものと考えています。 いずれにしろ、阿賀野川の底質泥を介した放射性セシウムの流下移動は現在も続いているものと考えられますので、今後も継続的に監視して行く予定です。



採取地点 採取日 測定日 放射性セシウム合算
(Bq/kg(乾))
阿賀野市下里河川敷 2012-10-09 2012-10-15     135
阿賀野市下里河川敷 2012-06-10 2012-06-15     200
阿賀野市安田橋運動公園河原 2012-10-09 2012-10-15       71
阿賀野市安田橋運動公園河原 2012-05-25 2012-06-02      197
                                  ※放射性セシウム合算=Cs137+Cs134
               



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2012年10月10日水曜日

測定結果(10/1〜10/9)

測定結果(10/1〜10/9)

 

  五頭山麓に分け入って天然キノコを採取し測定してみました。 キノコが生育している土壌が汚染されている場合に、キノコには放射性セシウムが濃縮され易いとの報告がありますので、五頭山麓の汚染を間接的に知る意味で、食用・毒キノコの区別なく採取し放射能測定を実施しました。

 採取した天然キノコを水洗いし、水を拭き取った後にミキサーで裁断! 測定中の発酵を抑えるため電子レンジで過熱後に室温に戻し、マリネリ容器に充填後に測定!

  その結果、Cs134は検出限界未満でしたが、Cs137で1.7 Bq/kgと市販されている菌床栽培生シイタケと同様に汚染度が低いことが分かりました。 


  なお、新潟県の報告では、ワタゲナラタケ(湯沢町)7.9 Bq/kg、アミタケ(阿賀町)11Bq/kg、 ヌメリイグチ(阿賀町)18 Bq/kg 等から放射性セシウムが検出されており、阿賀町や湯沢町での原発由来の汚染がキノコからも検出されています。
◎野生きのこの放射性物質の検査結果について(新潟県)


                          
試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
釜揚げ風ゆでうどん(福島県本宮市) スーパー購入 2012-10-02 1,037g 検出限界未満(<1.2) 検出限界未満(<1.2)
白米(24年胎内市産こしひかり) スーパー購入 2012-10-05  995g 検出限界未満(<1.4) 検出限界未満(<1.3)
天然きのこミックス(五頭山麓) 2012-10-04 2012-10-06  877g    1.7 検出限界未満(<1.3)
菌床栽培生シイタケ(JA越後中央) スーパー購入 2012-10-06  670g    2.1 検出限界未満(<1.7)
湖沼堆積泥(瓢湖北岸) 2012-09-30 2012-10-09  795g    5.4 検出限界未満(<1.9)
土壌(大室浄水場隣接道路脇) 2012-10-03 2012-10-06 1,059g    12.8 検出限界未満(<2.0)
土壌(大室浄水場隣接土手) 2012-10-03 2012-10-06  963g    2.5 検出限界未満(<2.1)
測定時間は10,000秒〜30,000秒


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2012年10月1日月曜日

自動車エアコンフィルターの放射能測定

自動車エアコンフィルターの放射能測定


   土壌等が放射性物質で汚染された場合に、細かな汚染粉塵が風によって巻き上げられ、遠方に移動して汚染拡大を引き起こし、呼吸により汚染粉塵を体内に取り込んで内部被曝の原因となることが危惧されています。 大気中に含まれる汚染粉塵の量を知るためにはハイボリュームエアサンプラー(粉塵収集装置)等で大量の空気を吸引してろ紙上に粉塵を捕集して調べる方法が一般的ですが、当方にはその装置がありません。  そこで、自動車エアコンフィルターに着目して、そこに捕集されている放射性物質の量を測ってみることにしました。 通常、エアコンフィルターは1年間程度で交換するのですが、そこには外気に含まれていた粉塵と共に放射性物質がトラップされているはずです。 特に、汚染レベルが高い地域で使用された場合は、エアコンフィルターの汚染度も高くなっていると予想されます。


   今回、原発事故当時から福島県いわき市で使用されていた自動車に装着されていたエアコンフィルターの提供を受けたので、放射性物質量を求めてみました。 エアコンフィルターは車種によって形状が異なるため、そのまま測定用の容器に入れても測定条件が一定となりませんので、水による溶出操作を加えることにしました。

前処理と測定法

 

エアフィルターの表面線量率測定
   吸気側には白い繊維状の埃が目立つが、排気側には観察できず! NaIシンチレーションサーベイメーターで吸気側の表面線量率を測定したところ。フィルター表面では0.10μSv/hとわずかに高い数値を示した!




エアフィルターの洗浄
   エアフィルターを超音波洗浄機に収まるサイズにカッターで切断! 精製水約200mlを用いて裁断したエアフィルターを超音波洗浄(10分)し、汚れを含んだ水を1リットルマリネリ容器に移し替えた後、新たな精製水で洗浄を計5回繰り返した(約1リットル)。 回収した水は濁っており、不溶性の沈殿物も確認。 1リットルマリネリ容器をガンマー線モニター(AT1230A)にセットし、30,000秒測定!



不溶物の分離
   測定終了した洗浄水からろ過フィルター(コーヒー用ろ紙)を用いて不溶性の物質を回収した後にろ液を再度 30,000秒測定!



測定結果

 

エアフィルターに吸着されていた放射性セシウムの量は43.5 ベクレル(測定重量で補正)で、不溶物除去後に18.4ベクレルに減少(放射性セシウムの58%がろ紙上に回収)していることから、ろ紙上に回収された不溶性物質に放射性セシウムが水に溶けない状態で強く吸着していると考えられる。 不溶性の部分はバーミキュライト等の粘土質と推測しているが、水溶性の部分の化学形の解析に関しては今後の課題です。

  今回の一連の測定ではエアフィルター表面の線量率が周囲の環境と比べて同じか僅かに高い程度で当初はほとんど汚染は無いと思われましたが、水による溶出測定を実施して放射性セシウムによる汚染を初めて確認できたので、表面の線量率のみによる判断は汚染を見逃す可能性があります。
     
試料名 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
Cs合算
(Bq/kg)
エアフィルター洗浄水 2012-09-25  997g   27.4   16.2  43.6
エアフィルター洗浄水(不溶物除去) 2012-09-26 1,000g   11.5     6.9  18.4

   なお、エアフィルター洗浄液と不溶物除去後の放射能比は、それぞれ(セシウム137:セシウム134=1:0.59、セシウム137:セシウム134=1:0.60)となり、原発事故初期にセシウム137とセシウム134は放射能比(1:1)で放出され減衰を考慮した測定時点(9月25日〜9月26日)での理論的放射能比(1:0.61)とほぼ一致しており、測定しているものが原発事故由来のものと確認できた。






   ※自動車エアコンフィルターや自動車吸気フィルター(エアエレメント)の汚染は各地で確認されておりますが、国や自治体が明確な基準・方針を定めていないため、交換作業に携わる人の被曝や、高レベル汚染フィルターの廃棄方法もわからぬまま放置されているのが現状です。

    ◎放射性物質で汚染されたエアフィルターの取り扱い指針(日本空気清浄協会)


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測定結果(9/17〜9/30)

測定結果(9/17〜9/30)



                            測定時間は10,000秒〜40,000秒
試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
雪印メグミルク(海老名工場) スーパー購入 2012-09-25 1,030g 検出限界未満(<1.1) 検出限界未満(<1.1)
農協牛乳(新潟市西蒲区) スーパー購入 2012-09-30 1,032g 検出限界未満(<1.1) 検出限界未満(<1.0)
水道蛇口水(阿賀野市水原地区) 2012-09-25 2012-09-28 1,000g 検出限界未満(<1.3) 検出限界未満(<1.2)
24年産玄米(新潟市江南区横越)   不明 2012-09-29  828g 検出限界未満(<1.8) 検出限界未満(<1.6)
24年産白米(新潟市江南区横越)   不明 2012-09-29 1,018g 検出限界未満(<1.4) 検出限界未満(<1.3)
ぶなしめじ(雪国まいたけ) スーパー購入 2012-09-25 166g 検出限界未満(<12.9) 検出限界未満(<12.1)
乾燥土壌(新潟市江南区) 2012-09-16 2012-09-28 1,154g 検出限界未満(<2.2) 検出限界未満(<1.9)
乾燥土壌(柏崎市) 2012-09-15 2012-09-28 1,233g 検出限界未満(<2.0) 検出限界未満(<1.6)
乾燥土壌(刈羽村) 2012-09-15 2012-09-28 1,126g 検出限界未満(<2.1) 検出限界未満(<1.7)
河川土壌(五頭山麓いこいの森) 2012-09-16 2012-09-23 1,445g 検出限界未満(<2.5) 検出限界未満(<1.9)
河川水(五頭山麓いこいの森) 2012-09-16 2012-09-18 1,026g 検出限界未満(<1.2) 検出限界未満(<1.2)

   ※重量不足のため、検出限界値が高くなっています! 検出限界値は試料の種類、重量、測定時間等により変動します。


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2012年9月27日木曜日

稲わらの放射能測定

稲わらの放射能測定


農家さんのご協力で、24年度に収穫した「稲わら」が入手できたので、放射能を測定してみました。



 ①乾燥稲わら
   阿賀野市小浮で採取した「稲わら」を電子レンジで加熱して風乾後にミキサーで粉砕し、1リットルマリネリ容器に充填してNaIシンチレーションカウンター(AT1320A)で40000秒測定。

  粉砕した「稲わら」はスポンジ状となり、 容器に充填するのが困難でしたが、約350グラム程度充填できました。


②炭化稲わら
  「稲わら」に含まれる放射性セシウム濃度を高めるために、放射性セシウムが飛散しない低温(約250度)で乾燥稲わらを炭化(蒸し焼き)。 「炭化稲わら」を再度ミキサーで粉砕し、1リットルマリネリ容器に充填して40000秒測定。
 




測定結果

試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137
(Bq/kg)
Cs134
(Bq/kg)
放射性K40
(Bq/kg)
乾燥稲わら 2012-09-20 2012-09-21 353g 検出限界未満(<3.5) 検出限界未満(<3.3)   386
炭化稲わら 2012-09-20 2012-09-22 247g 検出限界未満(<5.2) 検出限界未満(<5.0)   960

放射性セシウムは全て検出限界未満でした。
「炭化稲わら」の放射性カリウム40の濃度が、「乾燥稲わら」の2.49倍に濃縮されているので、放射性セシウムも同率で濃縮されると仮定すると、乾燥稲わら換算で放射性セシウムの検出限界値がいずれも2.0 Bq/kgとなり、「乾燥稲わら」に含まれるセシウム137とセシウム134の合算は4.0Bq/kg未満と推測できます。 なお、土壌から白米には稲わらの1/5 程度の放射性セシウムが移行するという報告がありますので、この白米に含まれている放射性セシウムは 1Bq/kg未満となります。

※放射能濃度が低く、かさ高い検体は、そのままでは充填密度が低くなるので、本来は電気炉等で低温灰化した後に酸抽出により濃縮測定するのが望ましいのですが、そのような設備がありませんので上記のような変法を使用しました。

 
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2012年9月23日日曜日

かんがい用水路の堆積泥調査(その2)

かんがい用水路の堆積泥調査(その2)

 

    用水路堆積泥の追跡調査(9/2〜9/15)を実施しました(4地点)。 検出限界値を超えた放射性セシウムが検出されなかった阿賀野市熊堂村新田の用水泥を再度サンプリング(9/27)し、再検討しました!  


 6月に採取した用水路と同地点で堆積泥を採取し、 前回と同様に天日乾燥後にふるいにかけ、異物を除去した後、1リットルのマリネリ容器に充填し、5000秒〜10000秒測定! その結果、阿賀野市熊堂村新田で採取した用水堆積泥を除いた3地点で全ての地点で前回と同レベルの放射性セシウムが検出されました。 
     放射能濃度の増減は認められるものの、大きな変化はありません

 

試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値
(Bq/kg)
用水路堆積泥(阿賀野市沖通) 2012-09-02 2012-09-10    130
用水路堆積泥(阿賀野市沖通) 2012-06-23 2012-06-30    191
用水路堆積泥(阿賀野市熊堂村新田) 2012-09-27 2012-09-30    277(訂正)
用水路堆積泥(阿賀野市熊堂村新田) 2012-06-23 2012-06-30    241
用水路堆積泥(阿賀野市法柳新田) 2012-09-15 2012-09-18    145
用水路堆積泥(阿賀野市法柳新田) 2012-06-28 2012-06-30    161
用水路堆積泥(新潟市北区上大月) 2012-09-02 2012-09-06    415
用水路堆積泥(新潟市北区上大月) 2012-06-28 2012-06-30    371

   阿賀野市熊堂村新田に関しては、サンプリング地点を間違えたために生じた単純ミスです。申し訳ありません!(夏草で用水路全体が隠れていたために、別の地点から採取してしまいました。)




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