2012年6月15日金曜日

阿賀野川河川敷セシウム汚染マップ(追補)


河川敷セシウム汚染マップ



河川敷堆積物サンプリング地点


① 阿賀野市草水河川敷(水辺側) ② 安田橋運動公園の河原(水辺側) ③ 阿賀野市小浮‎河川敷(水辺側) ④ 阿賀野川総合運動場脇休耕地(堤防側) ⑤ 新潟市北区‎灰塚‎排水桶管(堤防側) ⑥ 阿賀野市下里河川敷(水辺側)(追加)

2012年6月8日金曜日

阿賀野川河川敷の汚染状況


阿賀野市小浮‎河川敷

阿賀野川河川敷の汚染状況

   阿賀野川河川敷の放射性セシウムによる汚染状況を把握するため、阿賀野川上流から下流に向かって河川敷内の5地点(①〜⑤:地図参照)から堆積泥を採取し、天日乾燥後にγ線放射能モニター(ATOMTEX製AT1320A)を用いて放射能濃度(Bq/kg乾燥土)を決定した。 その結果、5地点のいずれの堆積泥からも福島第一原発事故由来の放射性セシウム(セシウム137+セシウム134)が検出され広範囲の阿賀野川河川敷が汚染されていることが明らかとなった。

河川敷堆積物採取地点

試料採取地点 ① 阿賀野市草水河川敷(水辺側)
② 安田橋運動公園の河原(水辺側)
③ 阿賀野市小浮‎河川敷(水辺側)
④ 阿賀野川総合運動場脇休耕地(堤防側)
⑤ 新潟市北区‎灰塚‎排水桶管(堤防側)

新潟市北区‎灰塚‎排水桶管

河川敷内に堆積し表面に露出している粘土層(0〜約5cm)を採取し、天日乾燥後にふるいにかけ、小石や雑草等の異物を取り除いて測定用試料とした。

放射性セシウム濃度
地点① 6/05採取 154 Bq/kg(乾)
地点② 5/25採取 196 Bq/kg(乾)
地点③ 6/05採取  152 Bq/kg(乾)
地点④ 5/30採取 152 Bq/kg(乾)
地点⑤ 5/30採取 236 Bq/kg(乾)※

※地点⑤(写真参照)では、平成23年7月の福島・新潟豪雨で堤防上部に堆積した泥が現在まで取り残されていたと思われます。

阿賀野川河川敷で見られる堆積物は、目の細かい砂と粘土質が混ざったもので、それらの混合比が異なる層が幾重にも重なっている状況が観察されました。
草水河川敷泥 広い河川敷では水辺付近や水辺と堤防との中間地帯では、通常の増水により冠水と乾燥が繰り返されるため複雑な堆積層構造になっています 一方、堤防に近く比較的高い位置にある採取地点④や地点⑤では、平常時には冠水することがないが、大雨で異常増水した場合にのみ冠水するため(放射性セシウム濃度が高い)粘土質を多く含む層が取り残され、加えて堤防の内壁に付着した泥が雨により堤防近辺直下に洗い流されて集積したのではないかと考えています。(コンクリート製の堤防内壁と河川敷との境界には多くの場所で泥が集積しているのが観察されている)  堆積物の表層が主に砂で構成されている場所では、放射性セシウム濃度が極端に低い値となっているので、河川敷内の放射性セシウムの表面濃度は均一ではありません。

下図は地点⑤で採取した堆積物のγ線スペクトルですが、汚染の少ない土壌と比べてCs-137とCs-134のピークが明瞭で汚染は確実です。 ただし、放射性セシウムの定量時に妨害となる天然のPb-214などが共存していますので、上記の放射性セシウム濃度が過大評価されている可能性があります(NaIの限界)




γ線スペクトル5


尚、新潟県が実施し、平成24年6月7日に発表された「阿賀野川の河川水、底質及び沖合海底土等の放射能測定結果について」によると、阿賀野川の底質土(泥)に放射性セシウムが吸着し川から海へと放射性セシウムが移動していること。 阿賀野川の岸辺の堆積物には表層からの厚みにより不均一に放射性セシウムが蓄積していることが明らかとなってきました。 また、新潟県が川岸の堆積物を採取している地点が、今回我々が採取した②安田橋運動公園の河原に近い場所で、セシウムの放射能濃度もほぼ同じレベルと考えています(新潟県は乾燥せずに測定していますので放射能値は低めに出ています)。

2012年6月6日水曜日

川の流れにより移動する放射性セシウム(阿賀野川・阿武隈川)


2012年6月10日(日) 夜10時放送の【ETV特集】で阿賀野市にも関係する「阿賀野川の放射性セシウム汚染の移動」に関する報告がされますので視聴しましょう。

内容は、福島県を水源とする阿武隈川と阿賀野川の上流から下流まで独自調査した結果、阿武隈川では一日当たり1,700億ベクレルの放射性物質が移動しており、川底の土からは6万ベクレル/kgを超える高濃度の汚染が検出された。 阿賀野川支流では放射性物質の量が、雪解けを挟んで大きく跳ね上がり、粘土鉱物と結合した状態で阿賀野川の河口まで移動する実態が浮かび上がってきた。 …という深刻な事実です!

【ETV特集】ネットワークでつくる放射能汚染地図6 川で何がおきているのか
YouTube動画






阿賀野川河川泥
 


あがのラボ(あがの市民放射線測定室)でも阿賀野川右岸(阿賀野市側)の堆積泥を数点採取し調査しました。 その結果、阿賀野川河川敷が放射性セシウムにより広範囲に汚染されていることを掴んでいます(後日まとめて公表します)。 福島県の山林や土壌の汚染が継続する限り、河川による放射性セシウムの移動は今後も継続すると予想されます。 特に、雪解けや梅雨による阿賀野川増水で河川敷の冠水による放射性セシウム蓄積が考えられ、渇水期には放射性セシウムを含む堆積泥が乾燥し風により埃となって周囲に拡散することも考える必要があります。


2012年5月26日土曜日

増え続けるセシウム汚染汚泥

増え続けるセシウム汚染汚泥


     福島第一原子力発電所事故以来、阿賀野市大室浄水場で生じている「放射性セシウムを含む汚泥」の最新検査結果が水道局から発表されました。 大室浄水場では、阿賀野川水系から取水した水道原水中に含まれる浮遊汚泥等を最終的に天日乾燥床にて回収しているため、汚成分に強く吸着している放射性セシウム(セシウム137+セシウム134)が天日乾燥床に蓄積することになります。




浄水発生土に含まれる放射性物質の調査結果


     福島第一原子力発電所事故発生時に運用していた天日乾燥床(No.1とNo.2、[4つの天日乾燥床の内、2つのペアでローテション運用])には高濃度(10,000 Bq/kg以上)の放射性セシウムが検出されました、 その後に運用した天日乾燥床(No.3とNo.4)からは、2桁低い濃度で検出され、減少傾向が見られていましたが、次に運用した天日乾燥床(No.1とNo.2)からは天日乾燥床(No.3とNo.4)と同レベルの濃度の放射性セシウムが検出されており、ほとんど変化していません! 阿賀野川水系の魚や河川底泥、更には流出河口や海底泥から放射性セシウムが検出されていますので、今後も福島県側からの放射性セシウムの移動が続くことが予測されています。

     ちなみに、これまでに阿賀野市大室浄水場敷地内に保管されている放射性セシウム量は、総量で約20憶ベクレルと推計され、今後も増え続けることが危惧されています。


天日乾燥床      運用期間          放射性セシウム(Cs-134+Cs-137)濃度
  No.1   平成22年11月29日〜平成23年05月25日       10,000 Bq/kg
  No.2   平成22年11月29日〜平成23年05月25日       10,300 Bq/kg 
  No.3   平成23年05月26日〜平成23年08月18日        145 Bq/kg
  No.4   平成23年05月26日〜平成23年08月18日        460 Bq/kg
  No.1   平成23年08月15日〜平成23年12月15日       ※140 Bq/kg →130 Bq/kg(訂正値)
  No.2   平成23年08月15日〜平成23年12月15日       ※146 Bq/kg 
  No.3        運用中
  No.4        運用中  
           ※天日乾燥中の数値。水分蒸発により放射性セシウム濃度が変動することがある。
           ※天日乾燥床No.1の放射性セシウム濃度に訂正がはいりました。(2012/6/5)


 浄水発生土に含まれる放射性物質の調査結果について [pdfファイル](阿賀野市水道局 2012/05/23)


課題
①セシウム汚染汚泥の保管容量に限界がある。
②天日乾燥床の乾燥中や乾燥汚泥の集積作業中に風などにより周囲へ飛散する危険性がある。
③天日乾燥床から保管場所への集積移管作業中に作業員の被曝(内部被曝)の危険性がある。




大室浄水場

阿賀野市線量マップ(暫定版)

阿賀野市線量マップ(暫定版)

土壌と河川水のサンプリングのついでに、地上1m高の空間線量率(μSv/hr)を各地点で測定しました。 市街地、水田地帯、五頭山麓での空間線量率に大きな差異は認められませんでした。

使用機器:シンチレーションサーベイメーター TCS-172B
 ※測定値は、測定日時、天候等によるバラツキが生じますので、あくまでも参考値とお考え下さい。

※京ヶ瀬の一部地域のデーター追加(5/31)
※京ヶ瀬、分田地区の一部地域のデーター追加(6/3)






より大きな地図で 阿賀野市空間線量率分布 を表示


2012年5月22日火曜日

測定結果のまとめ

測定結果のまとめと問題点


  ①γ線放射能モニター(ATOMTEX製AT1320A)導入から1週間を経過し、あがの市民放射線測定室(あがのラボ)では、γ線放射能モニターの性能把握と測定練度を高めるため下記の様々な測定試料を検査してきました。 結果としては、いずれの検体からも放射性セシウムや放射性ヨウ素(減衰により既に消滅)による汚染を検出できていません

◎食品類: 米(新発田市産)、タケノコ(阿賀野市産)、オレンジ(カルフォルニア産)
◎水試料: 水道蛇口水(阿賀野市)、瓢湖湖水(表面水)
◎土壌類: 土壌(雨どい直下)、砂(雨どい直下)、粘土層(瓢湖湖底)
◎その他: 豆炭焼却灰、松葉(落ち葉)


  ②測定を通じて放射性セシウムや放射性ヨウ素の誤検出も確認されています(γ線スペクトル上で確認できないのにメーカー提供の解析プログラムを用いると検出されてしまう現象)

  その原因は、1) 福島県や関東地域と比べて阿賀野市の汚染度が極端に低いこと。2)試料中に存在する天然放射性核種が放射性セシウムや放射性ヨウ素の妨害となっている等が考えられます。
 (福島県や関東地域などの放射性セシウムによる汚染度の高い検体測定では、天然放射性核種よりも放射性セシウムの相対的濃度(比放射能)が大きいので、現在のところ天然放射性核種による妨害は小さいと報告されています。)

   阿賀野市の五頭山系は有名な花崗岩地帯で安田地区から採れる花崗岩(御影石)は草水石(ソウズ石)として全国的に有名! また、村杉温泉や今板温泉はラドン温泉(温泉中に地下岩石から溶け出したラドン(Rn-222 天然、ウラン系列)やラジウム(Ra-226 天然、ウラン系列)を含む)として有名です。 阿賀野市の土壌は花崗岩の風化によってできていると考えても過言ではないでしょう!


対象核種とγ線エネルギー   妨害核種とγ線エネルギー
I-131 0.364 MeV       Pb-214 0.352 MeV (天然、ウラン系列)
Cs-134 0.569 MeV        Tl-208 0.583 MeV (天然、トリウム系列)
Cs-134 0.605 MeV      Bi-214 0.609 MeV (天然、ウラン系列)
Cs-137 0.662 MeV
Cs-134 0.796 MeV      Bi-214 0.768 MeV (天然、ウラン系列)
       ※MeV(エネルギーの単位) =メガ(10の6乗)エレクトロンボルト(電子ボルト) 


  ③阿賀野市の自然計数(バックグラウンド)のかなりの部分が花崗岩由来の天然放射性核種からの放射線によると思われますので、放射線測定器で線量(μSv/h)測定する際には周囲に岩石等があると影響が出ますので十分な注意が必要です。 室内での線量が0.07〜0.10(μSv/h)でも庭石の上では〜0.20(μSv/h)、花崗岩でできた石灯籠の中では0.25(μSv/h)も計測されています。

機器のメンテナンス

   本日はγ線放射能測定器のメンテナンスを実施しているため、検体の測定はお休みです。測定結果の信頼性を担保するための定期的な保守管理です。

   なお、測定結果に疑義がある場合には緊急メンテナンスを実施しますが、通常時は2週間間隔でメンテナンスを実施します。


2012年5月20日日曜日

水道水検査

測定結果(2012-05-20)


   ATOMTEX製γ線測定器AT1320Aを用いて自宅の水道蛇口水(1リットル)を測定した結果、 有意な数値(>3σ)は得られず検出限界未満という判定になりました。 2012年4月からの新基準(水道水:セシウム合算10Bq/kg)においても基準値以下(<4.8 Bq/kg)でした。


    阿賀野市の給水は、阿賀野給水区安田給水区の2系統で運営されています。 安田給水区(旧安田町)では地下水を水道原水に用いていますが、阿賀野給水区(旧水原町)では阿賀野川表流水地下水が併用されていますので、阿賀野川の水質変化を受けやすい傾向にあります。 また、地下水が混合配水されているためかγ線スペクトル上には岩石由来の天然放射性核種の存在が認められます。


       ◎ 測定時間:10,000秒
       ◎ 水道蛇口水(阿賀野給水区水原)
         セシウムー134  検出限界未満(<2.3 Bq/kg)
         セシウム−137   検出限界未満(<2.5 Bq/kg)




γ線スペクトル比較(土壌、蛇口水)

2012年5月18日金曜日

米の産地偽装

やっぱりあった!米の産地偽装


以前から、「福島産のコメ」が産地偽装で一般に流通しているのではないのかという心配がありましたが、ブランド米「新潟県産こしひかり」に原発事故の影響で価格の下がった「福島産ひとめぼれ」を混ぜて、「新潟県産こしひかり」として販売していたことがわかってきた。 この事例が例外的ならば良いのだが実態は詳しく調査されていないのが現実です。 もしも、「福島産ひとめぼれ」が放射能汚染されていたとなったら、問題はさらに深刻となる。

県産コシ偽装、福島米を混入か(新潟日報 5/18)
県警は、昨年3月の東京電力福島第1原発事故による風評被害の影響などで価格が下がったコメを、高値で売れる県産コシヒカリと偽って販売し、利益を得ていた疑いもあるとみて調べている。
市場価格より異様に安い「新潟県産コシヒカリ」や、新潟県産と書かれているが怪しげな業者のお米は疑ってみる必要があるようです。  皆さんの食べているお米は大丈夫ですか?

    参考:阿賀野市小浮にある農業生産法人 百姓一揆では独自にお米の放射能検査を実施し出荷していますし、生協パルシステムと提携して「コシヒカリ」を供給している阿賀野市笹岡のJAささかみのお米は生協会員に届く前に厳しい検査を受けています。  農家の方々もいろいろと努力されているのですが米の産地偽装事件が起きると新潟産米に対する消費者の信頼が崩れてしまうことに...

2012年5月17日木曜日

「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味

「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味


現在、国・自治体・民間機関・市民測定所等で食品中の放射能検査が頻繁に実施されています。 公表された検査結果に書かれている、「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」などの表記をご覧になったことがあると思いますが、検査機関によって表記が異なるので多くの一般市民は混乱してしまうという実態があります。

今回は、「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味を解説してみましょう!

それぞれの表面的意味としては
① 「ND」:Not Detected(検出されなかった)  疑問:ほんとに無かったの?
② 「不検出」:検出されなかった   疑問:ほんとに無かったの?
③  「検出されず」:検出されなかった  疑問:ほんとに無かったの?
④ 「検出限界未満」:検出できる最小値に満たなかった  疑問:実際はどのくらいだったの?
….となるのですが、いずれも適切な表現ではなく、①〜③は「ゼロ」と思ってしまう方もいらっしゃるだろう! 実は意味するところは全て同じなのです。表現が好ましくないのです。出来れば使用しないでいただきたい。

壊変は確率現象


セシウム137やヨウ素-131等の放射性核種が壊変するのは、いつも一定ではなくてバラツキを持った確率的な現象なのです。(10枚に1枚は当たるはずの宝くじの末尾賞300円ですが、バラで100枚買っても必ずしも10枚当たるとは限らず11枚の時もあるし8枚の時もある…..)

バラツキをもった放射性核種の壊変に伴って放出される放射線を、測定器で観察するわけですから測定値も当然バラツキをもってしまうわけです。 長時間観察したら(大量の宝くじを買ったら)、一定の放射能に収束する(10枚に1枚当たる状況に近づく)わけですがバラツキが全く無くなるわけではありません。

自然計数もバラついている


測定器に検体をセットしていない状態でも周囲にある自然界の放射線によりカウントされてしまう現象があります。 これが自然計数(バックグラウンド)と呼ばれるもので、同様に一定ではなくバラツキを持っています。 測定器に検体をセットした状態では、バラツキを持った自然計数に加えてバラツキを持った検体中の放射性核種からの放射線を同時にカウントするわけですから、測定値は大いにバラついて益々信頼性がない状態が生まれています。

信頼性を高めて数値を得るには


純粋に「検体からの放射線」のみを区別するためには「自然計数」を差し引く必要がありますが、「自然計数」も「検体をセットした時の計数」もバラついていますので、差し引いた後のバラツキは更に拡大することになります。(不確かなものから不確かなものを引いたら、結果はさらに不確かになる!)

([検体+自然計数] ± バラツキ1)−([自然計数] ± バラツキ2)=([検体] ± バラツキ3)

このような計算で得られた([検体] ± バラツキ3)を、正味の計数(N) ± 標準偏差(σ)と表します。

標準偏差(σ)を正味の計数(N)と比較して相対的に小さくするには、近似的にσ=√Nの関係にあるので「長時間測定による計数増加を促すこと」が重要となります。

ここからは統計学になるのですが
N ±σ とは、100回測定した場合にNが68.3%の確率でバラツキ範囲(σ)に収まるという意味になり、以下同様に
N ± 2σ では、95.4%の確率でバラツキ範囲(2σ)に収まることになり、
N ± 3σ では、99.7%の確率でバラツキ範囲(3σ)に収まることになります。

放射能決定する場合には、その数値に確かさを持たせるため、厳しい条件 N ± 3σで判定するのが一般的となっています。 即ち、N>3σが成立していることが判定条件で、99.7%以上の信頼性でNが意味のある数字(有意な数字)だと言える必要がある。 計数値よりバラツキのほうが大きい条件 N<3σ では、Nが意味を持たないと判定され(「統計的に信頼性がない数値」と判断されます)

「ND」「不検出」「検出されず」は判断できないという意味


まとめると、「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味することは同じで、この測定条件では自信を持って「放射能があると言えなかった」という意味になります。

① 「ND」:「統計的に信頼性がない数値」だから「放射能がある」と言えなかった
② 「不検出」:「統計的に信頼性がない数値」だから「放射能がある」と言えなかった
③  「検出されず」:「統計的に信頼性がない数値」だから「放射能がある」と言えなかった
④ 「検出限界未満」:<3σ(検出限界値)未満だから「統計的に信頼性がない数値」であり「放射能がある」と言えなかった



あがの市民放射線測定室(あがのラボ)では「ND」、「不検出」、「検出されず」は誤解が生じやすいので使用せず、「検出限界未満」<3σ(検出限界値) 表記を用います。